
翻訳ベンダーの選び方 ~MLV(Multi-Language Vendor)とSLV( Single-Language Vendor )~
企業で翻訳のニーズが生じ、翻訳会社に外注しなければいけなくなった場合、外注先を検討する必要がありますが、翻訳会社には2つの種類があることを紹介します。
1つはグローバルに事業展開し、複数の言語ペアに対応できる翻訳会社( MLV =Multi-Language Vendor)と、もう1つは特定の言語ペアに特化した単一言語翻訳会社( SLV =Single-Language Vendor)という2種類です。
どちらを選択するかは一長一短があり、翻訳が必要な状況に応じて選択するのが良いですが、今後の翻訳需要を見越して、長期的な視点で検討するのがベターです。
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MLV (Multi-Language Vendor) の強みと弱み
MLVの強み
ワンストップサービス:
MLVは複数言語に対応できるため、クライアントが多言語プロジェクトを依頼する際に、1つの窓口で完結できます。これはプロジェクト管理においてコスト削減と効率化に繋がります。
スケールの大きさ:
グローバル規模のプロジェクトに対応できるリソースやインフラを持っており、同時に多言語翻訳が求められるプロジェクトにも迅速に対応できます。
一貫性:
1つの会社が全言語を取り扱うことで、スタイルや表現、訳調に一貫性を持たせることが可能です。(ただしこの場合、スタイルガイドや用語集等が十分に整備されていることが条件となります。)
MLVの弱み
専門性:
すべての言語ペアに対して同じレベルの専門知識を持っているとは限らず、特定の言語ペアにおいてSLVほどの高品質な翻訳ができない可能性があります。
コスト:
広範囲にわたるサービスを提供するためのインフラやリソースが必要であり、その分コストが高くなることがあります。
柔軟性:
MLVは大規模な組織であることが多いため、SLVに比べてクライアントの個別ニーズに対して柔軟な対応が難しい場合があります。またコミュニケーションは基本的に英語であることが多いです。
SLV( Single-Language Vendor )の強みと弱み
SLVの強み
専門性:
SLVは特定の言語ペアに特化しているため、その言語ペアに関して非常に高い専門知識を持っており、高品質な翻訳が期待できます。
柔軟性:
MLVに比べると規模は小さく=小回りがきく ことも多いため、クライアントのニーズに対して柔軟かつ迅速に対応できます。
コスト効率:
特定の言語ペアに集中しているため、無駄なコストを省き、競争力のある価格でサービスを提供できることが多いです。
SLVの弱み
言語範囲が制限されている:
1つの言語ペアに特化しているため、複数の言語が必要なプロジェクトには対応できない場合が多いです。そのため、クライアントが複数のSLVと同時に契約する必要が出てくる場合があります。
プロジェクト管理の負担:
複数言語のプロジェクトでは、クライアントが各SLVを個別に管理しなければならず、プロジェクト管理の負担が増加する可能性があります。ただしクライアントが翻訳リソースを管理できる翻訳チームを持っているようであればこの心配はありません。
その他の視点
機械翻訳への対応
継続的に翻訳が生じる場合、コストや納期の都合上、社内で対応することも必要かもしれません。内製対応をする場合、多くは本業業務の傍らで翻訳を担当することもしばしばあり、効率を考えれば機械翻訳を活用するのもお勧めです。
機械翻訳関連サービスへの対応
最近では翻訳会社が機械翻訳サービスを販売しているケースがあります。
最近では、翻訳会社が機械翻訳サービスを販売するケースが増えています。翻訳会社はもともと翻訳の専門家であり、翻訳業務に精通しているため、機械翻訳の強みや弱みを理解しています。また、ポストエディット※や機械翻訳エンジンのカスタマイズも請け負っている会社もあるため、機械翻訳の品質に行き詰った場合は、アドバイスを求める事が出来ます。現在市場にある機械翻訳サービスは提供者がMLVであってもSLVであっても、基本的に多言語翻訳が可能なツールである場合が大多数です(翻訳会社以外が機械翻訳サービスを提供する場合も同様です)。
※機械翻訳に一次翻訳をさせ、出力結果を人が修正して、翻訳者が翻訳した場合の品質に近づける作業です。ポストエディットに関しては、こちらのブログでも解説しております。
まとめ
MLVとSLV、それぞれの強みや弱み、機械翻訳への対応についてお話ししました。翻訳の外注先を選ぶ際には、プロジェクトの規模、言語の範囲、求める品質、予算などを総合的に考慮することが重要です。
多言語対応や大規模プロジェクトにはMLVが適しており、特定の言語ペアに対する専門性や柔軟な対応が求められる場合にはSLVが効果的です。それぞれの条件に応じて、適切な外注先を選択することで、翻訳プロジェクトの成功と効率化が実現します。
さらに、どちらを選択するにしても、機械翻訳への対応ができる外注先を選ぶことで、翻訳作業の効率を一層高めることが可能です。つまり、機械翻訳と人手翻訳の組み合わせにより、コストと時間を節約しつつ、品質を維持することができるため、様々な翻訳ニーズに適応しやすくなります。
川村インターナショナルのサービス
川村インターナショナルでは、英日、日英翻訳において翻訳サービスの国際規格 「ISO17100」を取得し、多言語翻訳においてはグローバル企業からその品質を認められた翻訳パートナー企業と提携をして、多言語翻訳サービスを提供しています。
また、機械翻訳の導入支援やポストエディットの実績も豊富ですので、翻訳依頼先に迷われた際には一度川村インターナショナルにご相談ください。
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