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翻訳業務用システム「XTRF」で業務を効率化!
弊社では翻訳業務を行うにあたり、これまで様々なTMS(翻訳管理システム)を使用してきました。さらに効率的に業務をすすめるべく、今年に入りXTRFというTMSを導入し業務を行っております。今回は実際に使用してみた上で、本システムの優れた機能等を紹介したいと思います。筆者は翻訳プロジェクトのコーディネーターのため、主にコーディネーション周りを中心にお話しいたします。この記事が皆様の仕事の効率化に役立つことがあれば嬉しいです。こちらはXTRF 10.0.に基づいた記事となっております。
紹介動画:Introduction to XTRF Translation Management System
目次[非表示]
- 1.XTRFの主な特徴
- 2.ビュー機能
- 3.アサインの自動化(ワークフロー設定)
- 4.価格レートの設定
- 5.その他便利な機能
- 6.改善が望まれる点
- 7.まとめ
- 8.川村インターナショナルのサービス
XTRFの主な特徴
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上記のように、機能についての学習、フレキシブルな機能拡張環境、業務の一括対応、他のツールとの連携が備わっており、翻訳業務を効率的に行える管理システムとなっています。
以下ではコーディネーション作業関連において、役立つ機能の詳細について紹介していきたいと思います。
※ XTRF Academy:動画とテキストのチュートリアルで自習できるサービスです。
ビュー機能
過去の関連案件確認、分野に応じた翻訳者の検索、特定期間の自身の売上金額の確認等、必要なデータを確認したいことはよくあるかと思います。毎回確認したい項目をフィルタ設定するのは手間や時間がとられるものです。しかしXTRFなら、ビュー機能が備わっており、案件の分野、担当者、特定フラグの有無等を設定できるのはもちろん、その設定を複数記録することができます。そのため、必要な設定を必要な時にすぐに呼び出すことができ、確認したい情報を効率的に確認することが可能です。
また、自身で記録した設定を共用することができ、社内全体の効率化も図ることができます。
アサインの自動化(ワークフロー設定)
翻訳工程、チェック工程、DTPなど工程毎に、対応する方にアサインし、管理することがコーディネーション業務では必要です。各工程が完了するごとに、それぞれの方に都度メールしたり、ファイルを渡したりするのは手間がかかってしまうものです。そこでXTRFのプロジェクト(弊社ではクラシックモードを活用しています)では、基本的に各ジョブをワークフロー上に設定してからアサインします。各工程のジョブを単発で作成・管理するのではなく、各ジョブを流れに沿って自動で連動させることが推奨されています。
ワークフローの例
ここで便利な特徴が、作業者間のファイルの受け渡しや後工程へのジョブ開始の連絡が自動で行われるということです。ひとたび最初のジョブが開始されると、コーディネーターが何もすることなく最後のジョブの完了までを自動で行なってくれる仕組みとなっています。
設定によっては、システムから納品用ファイルを顧客に自動で送信・納品するといったことまで可能です。
また、XTRFでは外注している翻訳者様やチェッカー様への受領通知や発注書発行も自動にすることができますので、作業完了後の後処理も自動で処理することができます。
価格レートの設定
他のシステムではアサイン時に価格を設定し打診が可能ですが、XTRFではあらかじめ設定した価格レートに基づいての打診が基本となります。そのため、同様の案件を繰り返しアサインする際に、価格設定の間違いというエラーを防ぐことが可能です。また、クライアントにも価格レートの設定は可能で、作業分量さえ確定すれば傾斜に応じた価格の算出が自動で行われ、効率的に見積金額の準備ができるようになっております。
原則、価格レートを設定する仕様が適用されており、初めに価格設定の準備をするというひと手間はかかってしまいますが、一度設定さえしてしまえば自動で金額を算出してくれますので、以降の見積りでは楽ができる仕組みとなっています。
その他便利な機能
ブラウザ上で、複数タブでXTRFを表示して操作することが可能です。TMSによっては機能に制限があり、1つのタブ上でしか操作や更新ができないものもあります。複数のタブでシステムを表示し、各ページを参照しながら作業をし、効率的に業務を処理できるのは中々便利です。
また、保存アラート機能があり、テキストを更新した場合などで保存せずに他のページに移ろうとすると、移動してよいか、保存するかのポップアップが出てきます。他のTMSでは予告なく制限時間を過ぎたと表示がでて、せっかく時間をかけて記載した文書が保存されなかったりと痛い目を見たことがありましたが、XTRFではそういった事故を防ぐ仕様が備わっています。
改善が望まれる点
ファイルをXTRFにアップロードするには、基本的にバンドルというフォルダのようなものを設定し、その中にファイルを入れる必要があります。こちらを設定してファイルを入れると、各工程のジョブに自動でファイルを受け渡してくれるので、便利な機能ではあるのですが、ちょっと分かりづらい点があり、機能を理解するのにひと手間かかるなという印象を受けました。また、バンドルを準備しないとファイルがアップロードできないので、ワークフローを進めた後に手軽に1ファイルだけアップするということができないことがあります。慣れれば問題はないのですが、最初に仕組みを理解するのに時間がかかる場合があると思いました。
まとめ
XTRFでは便利な機能が多くあり、業務を遂行する上で効率化を図ることができます。
仕組みを理解するのに最初は手間がかかるかもしれませんが、統一性や自動化を行うような仕組みを活用して運用をすることが基本構造になっているので、準備をしっかりしておけば、ヒューマンエラーの防止や業務効率の向上につながります。
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