アメリカ式?イギリス式?日付の英語表記と世界の暦(前編)
目次[非表示]
- 1.翻訳の際に気を付けるべき日付表記
- 2.様々な暦
- 3.ローマ暦
- 4.まとめ
- 5.川村インターナショナルの翻訳サービス
翻訳の際に気を付けるべき日付表記
英語への(あるいは英語からの)翻訳に際して気を付けておきたいポイントのひとつに、日付表記の問題があります。
日本では、日付の表記は原則として単位の大きいものから始まります。例えば、2020/12/31や2020年12月31日、あるいは令和2年12月31日のように表記されます。
ヨーロッパに行くとこの順序が正反対になり、31/12/2020や、英語なら31 December 2020、フランス語なら31 décembre 2020となります。年については下2桁のみが表記されることもあるため、新世紀の最初の12年間の日付については、03/04/05が、2003年4月5日なのか2005年4月3日なのか、注意が必要です。
太陽暦では一年間は12か月であるため、13年目以降は当然のことながらこの問題は解消されます。ところが、厄介なことに問題はこれだけではありません。北米では、日付を月日年の順番で表記することが一般的です。つまり上記の令和2年12月31日は、アメリカでは12/31/2020となります。これは英語の場合に限り、フランス語(カナダの公用語のひとつ)では、日付の表記は本国フランスのあるヨーロッパと同じ順番になり、この問題は生じないそうです。
再度、03/04/05を例にとって考えてみると、以下の3通りの日付の可能性があることになります。
日本: 2003年4月5日
欧州: 2005年4月3日
北米: 2005年3月4日
日付を正確に伝えたい場合には、年は4桁で、また、月は数字ではなく名前で表記することが大切となります。翻訳依頼の際にもぜひ覚えておきたいポイントです。
余談ですが、日付の表記にはISO 8601という国際標準があり、こちらに従うと、日付は、すべてを数字にしたうえで単位の大きい方から(つまり日本と同じように)、2000-12-31と表記することが定められています。
様々な暦
さて、ここまでは、一般的な西暦のカレンダー(グレゴリオ暦)を想定して話をしてきました。しかし、世界にはそのほかにも様々な暦があります。ここからは、現在でも使用されている暦や、今は使用されていない暦などをいくつかご紹介したいと思います。本記事ではローマ暦についてご紹介します。
ローマ暦
古代ローマで使用されていた暦で、太陽太陰暦とも呼ばれます。暦の最初の月はMarch(ラテン語では、Martiusで、軍神マルスの月の意味)から始まりますが、執政官の就任をもって新年の始まりとしていました。紀元前222年以前はおそらくMay 1(5月1日)から始まり、その後は March 15(3月15日)、紀元前153年からはJanuary 1(1月1日)となったようです。
現代のカレンダーではMarchは3月ですが、当時はその年が始まる月、いわゆる1月とにあたるとされていました。現在の1年の終わりの4か月であるSeptember、October、November、Decemberがそれぞれラテン語の7(= septem)、8(= octo)、9(= novem)、10(= decem)の意味を持つのは、月の数が10しかなかったその当時の名残といえるでしょう。この頃は、5と6の意味を持つ月(QuintilisとSextilis)がまだあったのですが、ふたりのローマ皇帝Iulius(ユリウス、いわゆるカエサル)とAugustus(アウグストゥス)の死の際、その功績を称えるためにそれぞれ改称されました。現代の英語にもJulyとAugustとして残っています。
ちなみに、当時のローマ暦の月の長さは30日あるいは31日と、現代の日本人になじみ深いものと差はありませんが、暦には304日しかなかったそうです。古代ローマでは一週間の長さは8日であったため、ちょうど38週の暦でした。
面白いことに、Decemberが終るとすぐにMarchが来るわけではなく、暦に含まれない冬の日が60日程度続いて、太陽が一巡したころにまたMarchから暦がはじまったそうです。これらの冬の日も、紀元前713年ごろにはローマの神の名を冠したふたつの月(JanuaryとFebruary)に分けられ、月の長さも、原則として29日と31日に変更されました。Februaryだけは月の運行に合わせて長さを調整するため28日とされ、さらに、太陰暦と太陽暦のずれを調整する閏月が隔年でFebruaryの後に置かれるようになったのですが、これらの年ではFebruaryはさらに短くなりました。
前述の通り、元々はMarchが暦の最初の月でしたが、紀元前450年ころからはJanuaryへと移っていったそうです。また、現代でもFebruaryが他の月に比べて短く、閏日の調整が入る月であるのは、一年の最後の月であった頃の名残と言えるでしょう。
まとめ
今回は日付の翻訳に際して注意しておきたいポイントと、ローマ暦についてご紹介いたしました。後編では、さらに様々な暦を見ていきたいと思います。
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