ギター用語における英語と日本語の違い (パーツ編)
ギターは広く親しまれている楽器の一つで、世界中に愛好家がいます。日本でもコロナ禍での自粛要請やアニメの影響で始めてみた方が多いのではないでしょうか。そんなギターですが、初心者が始めるとなると一昔前は教則本や、ギター教室で習うのが一般的でしたが、現在では YouTube などの動画配信や、Zoom などを使用したリモートレッスンを利用して習得している人も多くなってきています。こういったネットを利用した情報収集の場合、全世界が対象になるため、日本語以外の情報も利用できるのが最大のメリットですが、逆に言語の壁が問題となってきます。
この記事では、ギター用語、特にパーツの呼び方の英語と日本語の違いについてまとめてみました。この記事を読めば世界中のギター情報をキャッチできるかも!?
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こちらは筆者が実際に所持しているギターになります。本記事で紹介しているパーツ がどの部分の名称のことなのか、①~⑦の番号で是非確認してみてください。
① 英語「Headstock」、日本語「ヘッド」
ギターの上部に位置する部分で、弦を張るための糸巻きが設置されています。英語では、この部分を「Headstock」と呼びますが、糸巻きを備えた部分として「Peghead」とも呼称されるようです。日本語では「ヘッド」と呼ばれます。
特に、本体とカラーマッチさせている場合は「マッチングヘッド」などとも呼ばれます。
ブランド名がプリントされていることがほとんどで、糸巻きの配置方法などからギターの判別が付くぐらい、個性が表れている箇所でもあります。
② 英語「Machine heads」、日本語「ペグ」
ペグは、弦を緩めたり、張ったりするために使われる部品です。英語では、この部分を「Machine heads」と呼びますが、ここは多種多様な呼ばれ方をする箇所です。別名で 「Tuning pegs」、「Tuning keys」、「Tuner」など、また、日本の有名なパーツメーカー名にちなんで「GOTOH」などとも呼ばれています。日本語では一般的に「ペグ」と呼ばれますが、クラシックギターなどではその名の通り「糸巻き」などとも呼ばれます。
なぜ日本でだけ「ペグ」と呼ばれているかは不明ですが、ペグは元々「木製の栓」という意味で、初期のギターは木製の栓に弦を巻き付けてギターのヘッドに装着していたそうで、昔は英語でも「Peg」と呼ばれていた可能性は高いです。ちなみに、前出のGOTOH製のペグの最上位機種は型番に「510」が含まれます。つまり「ご、とう」です!
③ 英語「Nut」、日本語「ナット」
ナットは、弦を固定するためのパーツで、ネックとヘッドの間に位置します。英語では、この部分を「Nut」と呼びますが、日本語では「ナット」と呼ばれます。これは一緒ですね。
パーツ的には地味ですがチューニングの安定性にかなり影響のあるパーツで、スムーズに弦を滑らせるために鉛筆を塗る、などのコツがあり、また、ナット部分で弦を金属パーで挟み込んで「ロック」するロックナットなども開発されました。
④ 英語「Fretboard」、日本語「フレットボード or 指板」
英語「Neck」、日本語「ネック」
ギター弦が張ってある、ヘッドとボディの間にあるまさしく長い首のような部分です。 この首の部分全体を英語では「Neck」と呼び、日本語でも「ネック」と呼ばれます。 また、ネックのなかでも弦が張ってある、指で直接触れる部分を英語では「Fretboard」と呼び、日本語では「フィンガーボード」、または「指板」と呼ばれます。
指板の素材は音や引き心地に直結する部分で、ローズウッド (紫檀) や エボニー (黒檀)、メープルが代表的な素材ですが、近年素材の枯渇や輸出入の規制が厳しくなり、代替素材の開発が盛んなパーツでもあります。同様にネックの素材や形状も弾き心地に関連するパーツであるだけではなく、かなりの強度が必要なパーツでもあります (ギター弦の張力は、弦の太さにもよりますが30~70キログラムと言われています)。
⑤ 英語「Body」、日本語「ボディ」
ギターの本体部分を指します。英語では、「body」と呼びますが、日本語でも「ボディ」と呼ばれます。
アコースティックギターではボディを空洞にして共鳴させて音量を大きくしています。エレクトリックギターでは基本的に一枚板の木材を使用しており空洞はなく (ソリッドボディといいます)、音は後述のピックアップで電子的に増幅してアンプから出します (一部空洞有りのエレクトリックギターもあり)。アコースティックギターの場合は空洞がある分、素材や形状が音や引き心地に影響を与える最大のパーツになります。
⑥ 英語「Pickups」、日本語「ピックアップ」
ピックアップは、ギターから発生する音を拾うためのパーツで、ギターの音質を左右する重要な部分です。英語では、「Pickups」、日本語では「ピックアップ」と呼ばれるのが一般的です。
アコースティックギターには基本的には装着されていませんが、エレクトリックギターには1個~3個程度のピックアップがついているのが一般的です (アコースティックギターでもコンサートなどで音量をかせぐために、外付けピックアップを装着するケースも増えています)。ピックアップに関する表現の違いとしては、通常日本語ではネック寄りのピックアップを「フロントピックアップ」、ブリッジよりのピックアップを「リアピックアップ」と呼んでいますが、英語版ではそれぞれ「Neck Pickup」、「Bridge Pickup」と呼ぶのが一般的なようです。
⑦ 英語「Whammy Bar」、日本語「トレモロアーム」
「トレモロアーム」はエレクトリックギターのブリッジに取り付けられた棒上のパーツで、演奏中にその棒に触れることでブリッジを稼働させ、音程を変化させることができます。英語では、「Whammy Bar」、日本語では「トレモロアーム」と呼ばれるのが一般的です。 特に日本語のほうはややこしく、ギターの「トレモロ奏法」とも似ており、現在では「アーム」とだけ呼ばれることが多い印象です。
いかがでしたでしょうか。次回は奏法編をお送りする予定です。
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