めざせ、球団通訳!英語の野球用語を学ぼう【守備編】
大の巨人ファンで、シーズン中は東京ドームに40回以上足を運び、密かに巨人の球団通訳を夢見る筆者が、野球用語を英語で紹介するシリーズ。今回は守備に関する用語を勉強していきます。基本編はこちら。
ポジション編
ポジションは、「投手」や「捕手」など日本語の名称もありますが、英語由来のカタカナの名称も日常的に使われているため比較的覚えやすいのではないでしょうか。
日本語 |
英語 |
備考 |
---|---|---|
ピッチャー(投手) |
Pitcher |
略字は「P」 |
キャッチャー(捕手) |
Catcher |
略字は「C」 |
ファースト(一塁手) |
First baseman |
略字は「1B」 |
セカンド(二塁手) |
Second baseman |
略字は「2B」 |
サード(三塁手) |
Third baseman |
略字は「3B」 |
ショート(遊撃手) |
Shortstop |
略字は「SS」。日本語の「ショート」は、英語のShortstopを短くしたもの。英語ではShortと言っても通じません。
|
レフト(左翼手) |
Left fielder |
略字は「LF」 |
センター(中堅手) |
Center fielder |
略字は「CF」 |
ライト(右翼手) |
Right fielder |
略字は「RF」 |
バッテリー |
Battery |
ピッチャーとキャッチャーのペアのことを「バッテリー」と呼びますが、このBatteryとは「電池」ではなく「砲台」という意味。ボールを投げるピッチャーの姿が大砲を彷彿とさせたため元々はピッチャーのことを「バッテリー」と呼んでいたそうですが、後にキャッチャーとセットで呼ぶようになったそうです。 |
野手 |
Fielder |
|
内野手 |
Infielder |
|
外野手 |
Outfielder |
ピッチャー編
ピッチャーの役割や投法、球種などの用語を紹介します。
日本語 |
英語 |
備考 |
---|---|---|
先発投手 |
Starter |
Starting pitcherとも。 |
中継ぎ投手 |
Relief pitcher |
Relieverは「救済者」という意味。日本語でも中継ぎ投手のことを「救援投手」や「救援陣」と言ったりします。 |
セットアッパー |
Setup man |
中継ぎ投手のひとつ。チームが勝っているとき、または接戦のときにクローザーの前に投げる投手。Set upは「組み立てる」や「構成する」という意味ですが、クローザーの前に投げるということを考えると、「(勝利を)お膳立てする」という意味でしょうか。 |
抑え投手(クローザー) |
Closer |
日本語では「守護神」ということも。横浜の守護神・山崎康晃投手の登場時に観客が総立ちで行う「ヤスアキジャンプ」は圧巻です。 |
敗戦処理投手 |
Mop-up man |
Mop-upとは、モップがけをすること。=「後始末をする人」という意味。点差がかなり開いているなど、負けが濃厚な試合で登板するピッチャー。 |
サウスポー |
Southpaw |
某アイドルの楽曲のおかげで、サウスポー=左利きということは知っていたのですが、英語由来の言葉、しかもまったく同じ意味とは知りませんでした。 |
オーバースロー |
Overarm |
ボールを肩の真上から振り下ろしてリリースする投げ方。「オーバースロー」は和製英語で、そのままover-throwと言うと英語では「暴投」の意味になるので要注意。
|
サイドスロー |
Sidearm Sidehand |
ボールを横からリリースする投げ方。Throw a sidearm pitchで「サイドスローで投げる」。 |
アンダースロー |
Underarm Underhand |
ボールを下からリリースする投げ方。「サブマリン(Submarine=潜水艦)」という言い方は日本でも定着しています。 |
スリークォーター |
Three-quarter |
オーバースローとサイドスローの中間の投げ方。ほかの投法と異なり、日本語も英語も同じ言い方をします。 |
ストレート |
Fastball |
英語を直訳すると「速球」。うっかりStraightと言ってしまいそうです。 |
変化球 |
Breaking ball |
直線の軌道を壊す(Break)というイメージでしょうか。Throw a breaking ballで「変化球を投げる」。 |
カーブ |
Curve |
|
スライダー |
Slider |
|
フォーク |
Fork |
ソフトバンクホークス・千賀滉大投手の決め球、お化けフォークは、落差が激しく打者の視界から「消える」ためにそう呼ばれていますが、由来を考えると直訳でGhost forkとしても問題なさそうです。 |
チェンジアップ |
Changeup |
|
ボーク |
Balk |
Balkは「ためらう」「尻込みする」という意味。 |
敬遠 |
Intentional |
英語は直訳すると「故意の四球」。実は日本語でも、正式な用語としては「故意四球」と定義されているそうです。 |
内角 |
Inside |
|
外角 |
Outside |
|
高め |
high |
「外角高め」はHigh and outside。日本語とは語順が逆になるので注意。 |
低め |
low |
The pitch was low and inside.で、「投球は内角低めだった」。 |
回またぎ |
Multiple innings |
中継ぎや抑えの投手(=通常、1イニングを投げることしか想定していない)が、2イニング以上投げること。英語は直訳すると「複数回」。Pitch multiple innings.で「回またぎをする」。複数のイニングを投げるので、inningsと必ず複数形になります。 |
中○日 |
X days’ rest |
ピッチャーが前回登板した日から、次に登板するまでの日数。例えば、火曜日に登板したピッチャーが日曜日に登板する場合、「中4日」という。「中4日で投げる」は、Pitch on 4 days’ rest. |
まとめ
今回は守備編として、ポジションとピッチャーにまつわる用語を紹介してみました。
ポジションの用語は、日本の野球に慣れ親しんでいる人ならすぐに覚えられるのではないでしょうか。「敗戦処理投手」のMop-up manや「敬遠」のIntentional walkなどは、意味を考えると「なるほど」と感心します。
これからも球団通訳を目指して、英語の野球用語をもっともっと勉強していきたいと思います。
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