納得!機械翻訳の利用形態を徹底解説!
昨今「機械翻訳」がこれまでにない注目を集めており、GoogleやMicrosoft、DeepL等あらゆる企業が機械翻訳サービスを提供しています。
しかし、選択肢が多いと「何を選ぶべきなのかわからない」「どのポイントを重視すべきか」など、疑問が次から次へと出てきてしまい、どのサービスを利用すべきか悩んでしまうと思います。
今回は、そのような悩みを解消すべく「機械翻訳の利用形態」に注目して違いを解説してみました。
目次[非表示]
- 1.はじめに
- 2.機械翻訳の利用形態3種類
- 3.1. パブリッククラウド
- 4.2. プライベートクラウド
- 5.3. オンプレ
- 6.おわりに
はじめに
昨今、「AI」や「ディープラーニング」といった言葉が飛び交い、機械翻訳が急速な盛り上がりを見せています。
書店に行くと機械翻訳の関連書籍が山積みですし、TVでも毎日のようにディープラーニングが取り上げられているのを目にします。巷ではこれまでにない頻度で日々機械翻訳セミナーやシンポジウムなどが開催されています。
当社でも機械翻訳サービスを提供しているため、「機械翻訳について知りたい」や「実際の利用形態について教えて欲しい」といったお問い合わせが多数寄せられています。たとえば、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))開発「みんなの自動翻訳@TexTra®」の商用利用を可能にした当社の「みんなの自動翻訳@KI(商用版)」では複数の利用形態を提供しており、それぞれ特徴があります。
このような機械翻訳の特徴に関して、特に「利用形態」についてのご質問をいただくことが非常に多く、たくさんの方々が興味を寄せられているため、今回は記事にまとめてみました。
機械翻訳の利用形態3種類
世の中にある機械翻訳サービスには、大きく分けて次の3つの利用形態があります。なんとなく聞いたことがあるかもしれません。それぞれメリットとデメリットがあるので、要件に応じて使い分けてみましょう。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- オンプレ
1. パブリッククラウド
「パブリッククラウド」とは、インターネットなどのネットワークを通じて一般利用者向けサービスを利用する形態です。一言でいうと特長は「共有」です。
各ユーザーは、サーバーや通信回線などを調達・所有する必要がないほか、サービスプロバイダが提供するサーバーやネットワークなどを「必要なときに、必要な分だけ」利用することができます。
また、スケールアウト(システムを構成するサーバーの台数を増やし、必要に応じて処理能力を増加すること)も自由自在であるため、急なアクセス増やユーザー数の増加にあわせて最適なITリソースを確保することができます。
メリット
パブリッククラウドを利用することで得られるメリットは以下のとおりです。
- ハードウェアやソフトウェアの準備など初期導入コストがかからない
- 使った分だけの支払い
- 障害対応はサービスプロバイダ側が担当
- 即日利用可能
- サーバーリソースの増減が可能
初期費用がかからず、障害対応もサービスプロバイダが対応するため、「これから機械翻訳を学びつつ、ひとまず導入してみたい!」という方向けの形態であるともいえます。
デメリット
その反面、パブリッククラウドを利用することによって発生しうるデメリットもあります。以下にまとめてみました。
- セキュリティはハードウェアやソフトウェアに依存するため、セキュリティポリシーに応じて柔軟に変更することが難しい
- 障害発生時に、何らかの対応をすることができない(サービスプロバイダ側の対応を待つしかない)
- 他のユーザーと同じ物理サーバーを利用するため、同時アクセス数が増えることでパフォーマンスが遅くなることがある
- 長期的に見るとオンプレに比べて割高になることがある
- 突然サービスが停止される場合がある
短期的な使用や、ひとまず導入してみたい方向けのパブリッククラウドですが、長期的な使用やカスタマイズを検討している方は、以下の形態を考慮してみるといいかもしれません。
2. プライベートクラウド
パブリッククラウドに対し、より狭い範囲を対象にサービスを提供するのがプライベートクラウドです。特長を一言でいうと「専有」です。自社内でクラウド環境を構築する形態であるため、柔軟なサービス設計やセキュリティ設定が可能になります。
プライベートクラウドはさらに2つに分類され、自社でインフラの構築・運用を行う「オンプレミス型」と、クラウド事業者のインフラを借りてサービス提供を受ける「ホステッド型(利用型)」があります。
メリット
プライベートクラウドを利用することによって得られるメリットを以下にまとめてみました。
- 閉じたネットワークでの利用が可能
- 業務に応じてカスタマイズが可能
- サービスが突然停止することはない
自社内で構築したクラウドを使用するため、高度なセキュリティを求められる方、機械翻訳の使用頻度が多く、さらに自社向けにカスタマイズをしたい方向けの形態とも言えるでしょう。
デメリット
その反面、プライベートクラウドで発生しうるデメリットは以下のとおりです。
- システム構築には専門知識が必要
- 自社専用サーバー構築のための初期費用がかかる
- 保守等の運用コストが比較的割高
- サーバーリソースを増やすには追加コストがかかる
高度な専門知識を要し、コストも比較的かさみやすいプライベートクラウド型ですが、それだけ自社のニーズにあった高いセキュリティや仕様をカスタマイズすることが可能です。
3. オンプレ
「オンプレ」とは「オンプレミス」の略です。「プレミス(premise)」には「敷地、建物」という意味があります。つまり、自社保有のハードウェアやソフトウェアを使ってサービスを利用する形態です。
具体的には、社内にあるサーバーに機械翻訳エンジンをインストールして社内で利用するということになります。
メリット
オンプレ型を利用することによって得られるメリットは以下のとおりです。
- 自前でカスタマイズがしやすい
- ハードウェアやソフトウェアを変更することで、セキュリティポリシーに応じてセキュリティ度合いを柔軟に変更することが可能
- サービスを利用するのは自社内ユーザーのみであり、クラウドに比べ外部要因からの影響は少ない
- 長期的に見ると割安になることがある
プライベートクラウドを似通った特長を持つオンプレ型ですが、自社サーバーにエンジンをインストールするため、外部からの影響を防ぐことができ、高いセキュリティと安定した動作を維持できます。
デメリット
一方で、オンプレ型のデメリットは以下のとおりです。
- ハードウェア、ソフトウェア、回線等の初期費用が比較的高額
- 障害対応は自社で担当
- 利用開始までに時間がかかる
- サーバーリソースの増減には費用がかかる
初期費用が比較的高額になりやすく、利用開始までにも時間がかかってしまい、導入後も自社で対応する部分が多くなることから、導入になかなか踏み切りにくいサービスの一つでもあります。ただし、一度導入してしまえば、自社向けにカスタマイズしたり、長期的なコストが削減できたりするため、根強い人気を誇るサービス形態です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。機械翻訳には他にも様々な特徴がありますが、今回は「利用形態」の切り口で解説してみました。
どのように使用するか、利用頻度、規模・予算はどのくらいか、などニーズによって好ましい製品が変わってきますので、それぞれの特徴をつかみつつ、検討してみるといいでしょう。他にも分からない点や気になる点があれば、今後当ブログで特集いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせフォームにてご相談ください。
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