
RFPとRFIとは?グローバル競争で勝ち抜くための道のり
皆さん、RFPやRFIという言葉を聞いたことがありますか?外資系企業や海外拠点がある日系企業に勤めている方なら日常的に耳にしているかもしれません。RFPとはRequest for Proposal、RFIとはRequest for Informationの略で、年間契約などの長期にわたるプロジェクトや金額が大きい大型プロジェクトを依頼するベンダーを探したり、複数の依頼先候補から一つのベンダーに絞り込んだりする際によく使われる手法です。翻訳およびローカリゼーションの現場でも、よく耳にします。ただ、依頼するクライアント側もベンダー側もかなり細かな情報を出すことになるため、実施自体が非公開で行われることが多く、なかなか実態をつかみづらいというのが現状です。
そこで今回は!普段なかなか内情を見ることができないRFPとRFIについて翻訳会社の視点からご紹介したいと思います。
目次[非表示]
- 1.RFIとは?
- 2.RFPとは?
- 3.気になること
- 3.1.どうやったら参加できるの?
- 3.2.1社だけが選定されるの?
- 3.3.実施期間はどれくらい?
- 3.4.正解の回答があるの?
- 3.5.勝算を上げるコツは?
- 3.6.選定されたらどうなるの?
- 4.川村インターナショナルの実績
- 5.川村インターナショナルのサービス
RFIとは?
まずはRFIからお話しします。RFI(Request for Information)は「情報」の依頼なので、位置づけとしてはRFP(「プロポーザル」の依頼)の前段階に当たり、選定プロセスの初期と言えます。たとえば、皆さんが新しい家電製品を買う際にまずはどのような製品が選択肢としてあるのかを調査しますよね。「炊飯器を買い替えたい」までは分かっているものの、具体的にどの製品というイメージがまだ無いので、検討を始めるために情報収集を行うといった感じです。
その実施目的から分かるとおり、RFIでは依頼元から多数のベンダーに声がかけられ、会社としての大枠の情報を提供するように依頼されます。よくある項目としては、会社の成り立ちや特徴、依頼元が探しているサービスに対する経験値、業界における実績などです。
ただ、知っておいたほうが良いことは、RFIが実施されたからと言って、必ずしもクライアントが実際にプロジェクトを開始するとは限らないということです。炊飯器の例に戻りますが、情報収集した結果、「やっぱり今の炊飯器をもう少し使い続けよう」という結論もあり得るからです。RFIの目的は、依頼元があくまでも情報を集めることだと認識しておきましょう。
RFPとは?
さて、RFPの話に移りましょう。前述のとおり、RFP(Request for Proposal)は「プロポーザル」の依頼となり、依頼元が具体的なプロジェクトに対応するベンダーを選定するために実施されます。RFIと違い、最終的に選ばれたベンダーと契約することを念頭において行われるため、依頼方法や回答内容、選考プロセスなどがよりフォーマルになります。
先に説明したRFIで対象となるベンダーを絞り込んだ後にRFPという流れがよくあるパターンですが、クライアント側で既に候補先の見当が付いている場合はいきなりRFPから始めるというケースもあります。具体的なプロジェクトやサービス内容のために実施されるので、RFIに比べて求められる情報が細かく、提出物もかなり多くあります。そのため、提出期限が長めに設定されますが、実際の期間は業種やプロジェクトの規模感によって変わります。
翻訳サービスの場合は、2週間ぐらいといったところでしょうか。よくある項目としては、類似プロジェクトやサービスに関する実績や取り組み例、チーム体制、対応方法の提案、単価表、リファーラル(同業種の取引先からの推薦)、あと翻訳サービスの場合は品質確認用の翻訳サンプルなどです。RFP開始にあたり、クライアントから依頼内容を記載したドキュメントが配布され、提出物のファイル形式やフォーマット、提出方法などが詳細に指定されます。フォーマルな回答のため、カバーレターを添付しないといけない上、冊子のように何十ページものボリュームになります。
気になること
どうやったら参加できるの?
依頼元が民間企業の場合、RFIやRFPの実施については一般公開されず、直接声がけされたベンダーのみが参加できるケースがほとんどです。では、声がかかるようにするためにはどうしたらよいのか。既にグローバル企業のクライアントを抱えている場合は良好な関係を築く(紹介してもらえるケースがある)、業界内での知名度を上げる、自社のウェブサイトの英語化をしっかり行う。どれも当たり前のことですが、これらの基本を押さえ、気長に待つしかありません。
1社だけが選定されるの?
そうとは限らないです。依頼元が求めている条件にもよりますし、各社の提案内容によっては選定先を増やす決断をするかもしれません。
実施期間はどれくらい?
先に2週間ぐらいというRFPの提出期限の例を出しましたが、そこからステップがいくつもあるため、提出締め切り後から選定が終わるまで少なくとも3か月、状況によってはもっと長引く場合もあります。まさに長期戦です。
正解の回答があるの?
想像できるかもしれませんが、ケースバイケースのため、正解はないです。なので、毎回頭を抱えるのですが、一つ言えることは依頼元が出した情報の中からもっとも重要視されていることを見抜き、それを中心に据えた提案を練り上げることでしょうか。ハートを射抜くつもりで提出物に全力を注ぎましょう!
勝算を上げるコツは?
これは何でもそうだと思いますが、慣れが大きいと思います。最初はうまくいかなくとも、数をこなしていけば、自社のアピールポイントが明確になり、提出物も洗練されていくはずです。とにかく経験を積み、結果が出た後は分析を行い、次に繋げていくことが大事です。
選定されたらどうなるの?
すぐに契約手続きに入ることになるはずです。いつ取引開始しても大丈夫なように、心の準備だけでなく、必要な保険類や設備、業務体制の準備を進めておきましょう。
川村インターナショナルの実績
今回はなかなか内情を見ることができないRFPとRFIについて取り上げましたが、いかがでしたでしょうか。川村インターナショナルでは海外の取引先が多く、RFIやRFPの声がかかる割合が高く、実は20年以上前から参加しています。それぞれのクライアントで探しているものが違うので、もちろんマッチングしない場合もあります。相性確認みたいなものだと捉えると良いかと思います。
川村インターナショナルの強みは何と言っても海外ネットワークです。カリフォルニアと香港に拠点があり、またドイツにも関連会社があるため、グローバルなお客様をしっかりとフォローできます。これによりお客様との信頼を築き、地域をまたがってグローバルな案件に多く対応しています。海外の本社や関連会社から日本市場に関連するRFPやRFIの相談を受けた際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。翻訳でお手伝いをさせていただきます。
川村インターナショナルのサービス
川村インターナショナルでは、IT・ローカリゼーション、医療機器・医薬、観光・インバウンド、製造業、金融・ビジネス・法務、SAP 関連文書など、幅広い分野の翻訳を扱っております。お客様の業種・専門分野に応じて最適な翻訳者が対応いたします。弊社の審査基準をクリアした、経験豊富なプロの翻訳者ですので、品質の面でもご安心ください。
翻訳会社への翻訳依頼をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。
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