タイ人も苦戦?!複雑なタイ語
微笑みの国とも呼ばれるタイは、実は日本企業が多く進出している国の一つです。海外進出日系企業拠点数調査の2021年調査によると、中国、アメリカに次ぐ3位*となっています。背景としては、東南アジアの中心に位置しているため、アジア周辺国への進出のためのハブとしての役割を担えるという点があるようです。
今回は、そんなアジアマーケットの要とも言えるタイの公用語、タイ語についてご紹介します。
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- 1.タイってどんな国?
- 2.タイ語の特徴
- 2.1.タイ文字(シャム文字)
- 2.2. 声調
- 2.3. 男性語尾と女性語尾
- 2.4.まとめ
- 3.川村インターナショナルの翻訳サービス
タイってどんな国?
アジアマーケットへの進出へのハブとなり得るタイは東南アジアの中央に位置し、ミャンマーやマレーシア、カンボジア、ラオスと国境を接しています。人口は約6,600万人で、国民の9割以上が仏教徒の仏教国です。
1年を通して日本の夏のような気候と、鮮やかな色使いの寺院や水上マーケットなど、まるで地上の極楽浄土のような華やかさが観光客に人気です。日本からは飛行機で6~7時間ほどの距離にあります。
そんなタイですが、英語は観光地以外ではほとんど通じません。フィリピンやマレーシアなど、東南アジア諸国には英語が公用語の国もありますが、タイの公用語はタイ語のみです。
タイ語の特徴
タイ語の特徴を、文字、声調、語尾の3つの視点から紹介します。日本語にはない特徴も多いので、かなり複雑な印象を持つ方もいるかもしれません。
タイ文字(シャム文字)
タイ語は、タイ人でも習得するのに時間がかかると言われるタイ文字(シャム文字)を使用して表されます。下記はタイ文字の例ですが、漢字ともアルファベットとも違うため、どう読めばよいのか見当もつかない方が多いのではないでしょうか。
44字の子音(内2字廃字)と9音の母音に声調記号を組み合わせて表記します。
まるで絵か記号のような文字はアラビア文字と似た印象を受けます。蛇のようなアラビア文字に対して、タイ文字は小さな丸が付いているのが特徴的です。
タイ文字を書くとき、この小さな丸が付いている文字に関しては、丸から書き始めるのが基本です。なんとこの丸を時計回りに書くのか、反時計回りに書くのかでその文字の意味が変わってきます。具体的には、その文字が高子音字なのか低子音字なのか変わるのですが、この二つについては中子音字と併せて、後ほどご紹介します。
さて、タイ文字だけでもう既に複雑になってきました。しかし、文字の複雑さに対してタイ語の文法は比較的覚えやすいものです。
語順は英語と同様「主語」「動詞」「目的語」です。疑問文にする場合、文頭や文末に疑問詞をつけたり、終助詞を使ったりすることで表現できるので、語順を入れ替える必要のある英語よりも簡単です。また、日本語の「てにをは」に相当するものがないので、語順に沿って単語を並べるだけで文章が完成します。
さらに、語形の変化や活用、時制もないので、英語における現在形・過去形といった、一つの単語の複数の形を覚える必要もありません。
声調
書き言葉にはタイ文字の複雑さに起因する難しさがありますが、口語にも日本語と異なるルールや性質があります。その一つが声調です。タイ文字は子音と母音、そして声調記号から成ると説明しましたが、タイ語には5種類の声調があります。
声調が異なるだけで、同じ発音でも全く異なる意味になってしまうため、声調を使いこなすことはタイ語を話すうえでとても重要な要素です。
声調が重要な言語、と聞いて、中国語を思い浮かべた方もいるかもしれません。中国語には4種類の声調があり、中国語の学習でも、日本人学習者の多くが直面する壁と言われています。そんな中国語よりも多い5つの声調があるタイ語ですが、タイ語をマスターするには5つの声調記号を覚えるだけでなく、子音の3つのグループについても知る必要があります。
全44字の子音は中子音字、高子音字、低子音字の3つのグループに分けられます。実は、それぞれのグループによって、使用できない声調記号や、使用されている声調記号による声調の変化が決まっているのです。つまり、大変複雑なことに、声調記号が同じでも、その子音がどのグループに属するのかによって適切な声調が異なるのです。
男性語尾と女性語尾
タイ語の文末表現も口語における特徴の一つです。
日本語に丁寧語があるように、タイ語にも丁寧語が存在します。ちょうど日本語の「~です」「~ます」に当たる表現で、文末に付け加えるのですが、タイ語では男性と女性でこの表現が異なります。
例えば、タイ語で「ありがとう」というのは、コップンと言います。これをタイ語で丁寧に伝える場合、男性と女性ではそれぞれ以下のようになります。
このように男性の場合はครับ(カップ)、女性の場合はค่ะ(カー)を語尾につけることで丁寧な表現になります。
また、一人称も男性と女性で異なります。名詞の性によって文法が変わるドイツ語ほどの複雑さはありませんし、日本語も一人称が多い言語なので、覚えてしまえば慣れるのは早いかもしれませんね。
まとめ
語尾の性や声調など、いくつかの言語の特徴を併せ持ったようなタイ語。それらの特徴が複雑に絡み合っている点を見れば、タイ人でさえ習得に苦労すると言われているのも頷けます。習得までにとても時間がかかりますが、ビジネスでも注目度の上がっているタイの公用語にぜひ興味を持ってみてください。
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