英語の字幕と日本語の字幕
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動画コンテンツ市場と字幕の価値
動画コンテンツの市場規模が拡大するにつれて、字幕やテロップといった情報の価値も高まっています。
サイバーエージェント社による動画広告市場の調査によると、動画市場は2019年は前年比141%、2020年は前年比114%の2,954億円と成長し続けています。また、総務省が発表している、映像・音声・文字情報政策に附帯するサービス業の売上高は、2018年は前年比121.8%、2019年が前年比122.1%で2,718億円となっていて、2015年以降は毎年20~25%の伸びを見せています。
外資系企業が自社の動画コンテンツに日本語の字幕を付けることは、日本国内のマーケットを意識すれば当然のことです。逆に、日本の企業が動画コンテンツに英語の字幕を付けるということは、世界全体のマーケットに向けて発信できるということです。動画コンテンツの重要性は今後ますます高まることが予想されます。
字幕の呼び方
~クローズドキャプションとサブタイトル~
ここで少し、英語で言うところの字幕について説明したいと思います。日本語ではどちらも字幕となりますが、英語の字幕ではキャプション(Captioning)とサブタイトル(Subtitles)という呼び名で分かれています。もともと聴覚障碍者向けにアメリカで開発され、画面上で字幕をオンオフできるシステムを「クローズドキャプション」と言います(オフにできないものはオープンキャプション)。成り立ちの性格上、キャプションは話されている言葉をそのまま文字にするということが原則になります。また、音楽が流れていれば (♬)などの記号が表示され、映像には映っていない場面の音があれば(The door closes)などと補足されます。
サブタイトルについては英語圏の中でも国によって定義が異なるようで紛らわしいのですが、基本的には日本でいうところの“テロップ”的役割を果たし、「音声を補助的に表示する字幕」と「翻訳された言語の字幕」のことを指すようです。
字幕の必要性
先ほど、クローズドキャプションは聴覚障碍者向けに開発されたシステムという説明をしましたが、このシステムは英語を第一言語としない移民の方にも便利な機能となりました。また、耳の遠くなった高齢の方、聞こえづらい環境での補助的役割など、字幕は多くの場面で活用されています。
日本の字幕は、洋画に字幕を付けることから始まったのに対して、英語の字幕は自国語の音声の補助機能として始まり、それぞれ発展してきたと言えます。外国語でも自国語でも、字幕により情報が補完されるという便利な機能性から、今では動画制作の必須アイテムとなっています。
今ではテレビをつけるとどの番組でも必ずテロップが多用されています。ニュースのインタビューなどでは必ず日本語の音声に日本語の字幕が付いていることからも分かるように、その効果は多くの場面に浸透しています。
字幕表示の基準
字幕を表示する際には様々なルールが存在します。英語と日本語で共通するものもあれば独自のルールになっているものもあります。代表的なものをいくつか紹介します。
英語 |
日本語 |
|
1度に表示する行数 |
2行まで |
2行まで |
1行の文字数 |
42文字(characters) |
13文字 |
表示時間 |
1秒以上7秒以内 |
1秒以上6.5秒以内 |
1秒間の文字数 |
規定なし |
4文字 |
<日本語の場合>
一度に表示できるのは2行までで、1行当たり13文字までというのが基準になります。これはもともと映画界で規定された基準のため、ビジネス向けの字幕ではもう少し多めに設定することで汎用性が広がります。弊社では1行20文字を基準にして字幕を入れています。
<英語の場合>
クローズドキャプションが音声をそのまま字幕表示することからも分かるように、英語では1行の表示に厳しい基準は設けられていませんが、スペースの都合上42文字(characters)となっています。2行までというのは日本語と一緒です。また、表示時間が1秒以上7秒以内というのもほぼ共通したルールと言えます。
映像と字幕の関係
吹替で音声が動きとシンクロしている必要があることと同様に、字幕でも音声に合わせて表示することが読み手に違和感を抱かせないうえで重要です。無音のところにいつまでも字幕を表示させることなく、音声に合わせてテンポよく次の字幕に繋げていくことが大切です。
日本語を英訳する際は、このテンポがしばしば難しいことがあります。冗長になりすぎず、とはいえ簡潔すぎず、原文の意味が伝わる工夫をする必要があります。 川村インターナショナルでは経験豊富なスタッフが、日々より良い字幕を制作することを心がけて仕事に励んでいます。
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