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英語メールを書く時のコツ 川村インターナショナルの翻訳ブログ

英語メールを書くときのコツとは?基本のキをお伝えします

みなさん、英語メールを書くときは何に気を付けていますか?

正しい文法、または日本語で下書きした内容を忠実に訳すことでしょうか。実は伝わりやすいメールにするために最も大事なのは、定型に合わせた(先方が読み慣れた)文面にすることだと感じています。もちろん、決まったテンプレートが存在しているわけではなく、一般的によく見る形のメール文面にするという意味です。

本記事では、北米在住の筆者が、日常的なビジネスメールにおける基本のキをご紹介します。交渉事や難しい相手先とのやりとりなど、必ずしも毎回同じ書き方が良いとは限りませんが、日常的なビジネスメールを送る際に参考にしていただけたら幸いです。この基本のキを押さえることで、分かりやすい英語メールになること間違いなしです!

目次[非表示]

  1. 1.英語メールの形とは
    1. 1.1.日本語メール例
    2. 1.2.英語メール例
  2. 2.英語メール例(解説付き)
    1. 2.1.宛名
    2. 2.2. 本文
    3. 2.3.締めの言葉
    4. 2.4.結び
  3. 3.内容で気を付けることは?
  4. 4.まとめ
  5. 5.川村インターナショナルの翻訳サービス

英語メールの形とは

日本語と違って英語メールはシンプルで誰もが自由に書いているように見えるかと思います。確かに自由度は高いですが、それでも何となく決まった形があり、それに沿って書くだけでぐっと読みやすくなります。早速どういうものか見ていきましょう。


日本語メール例

宛先:鈴木 一朗 様

差出人:川村 花子



鈴木様


いつもお世話になっております。

川村インターナショナルの川村です。


先日ご依頼いただいた見積りの準備が整いましたので、

添付にてお送りいたします。ご確認ください。


ご検討の程よろしくお願いいたします。



川村

英語メール例

宛先:Ichiro Suzuki

差出人:Hanako Kawamura



Hi Ichiro,


I hope you’re doing well. Here is the price quote for the services that you have requested. Please see attached.


Let me know if you have any questions.



Best regards,

Hanako

以下でさらに細かく見ていきたいと思います。

英語メール例(解説付き)

宛名

Hi Ichiro,
  • 解説1:宛名は「挨拶」+「ファーストネーム」+「カンマ」のセットで覚えましょう。

  • 解説2:日本人からすると”Hi”はカジュアルすぎるのでは…と思われるかもしれませんが、アメリカではこれが普通で初対面の相手でもまったく問題ありません。ただ、ヨーロッパ圏では”Dear”のほうをよく見ますので、相手先の地域によって使い分けるか、先方の挨拶に合わせるのが無難だと思います。

  • 解説3:名前の部分は必ずファーストネームだけを書きましょう。行政からのレターなどにフルネームが記載されている場合もありますが、ビジネス上または日常生活でメールの宛名をフルネームにすることは皆無で、とても不自然です。


 本文

I hope you’re doing well. Here is the price quote for the services that you have requested. Please see attached.
  • 解説1:英語だと「お世話になっております」のように一律で使える書き出しが存在しません。その代わり、上記のように “ I hope you’re doing well.” など、「お元気でしょうか」「お変わりないでしょうか」といった内容の言葉で始めます。もっと頻繁にやりとりをする相手なら“Hope you had a good weekend.” や、”Hope you’re having a good week.” のように状況に合わせて変えられます。  

  • 解説2:上の解説1のような言葉で始めるのが丁寧ですが、一定期間内で何度もメールするような場合、冒頭の言葉を省いて用件から始めても全く問題ありません。 

  • 解説3:初めて連絡する場合を除き、日本語のようにメールの冒頭で名乗ることは不要です。

  • 解説4:日本語だと改行を細かく入れますが、英語メールの場合、句点または読点で改行せずにそのまま書き続けます。日本語のように改行を入れると逆に読みにくくなりますので注意が必要です。ただ、話題を変える場合は1行空けて段落を分けましょう。


締めの言葉

Let me know if you have any questions.
  • 解説1:冒頭と同じく、英語には「よろしくお願いいたします」のように一律で使う言葉が存在しません。その代わり、上記のように相手にお願いしたいことを書いて終わるケースが多いです。他には “Let me know if there is anything else you need.” や “I look forward to hearing from you.”、または “I appreciate your consideration.” や “Thank you so much for your assistance.” など感謝の意を伝えるケースもあります。
    ​​​​​​​
  • 解説2:本文とは段落を分けて、締めの言葉を単体で配置しましょう。


結び

Best regards,

Hanako

  • 解説1:結びは「挨拶」+「カンマ」+(改行してから)「ファーストネーム」のセットで覚えましょう。

  • 解説2:挨拶の言葉は無数にありますが、ビジネス上で無難なのは “Best regards” だと思います。“Sincerely” は堅苦しく、“Best” だと少しカジュアルになってしまいます。メールの内容によっては、ここで “Thank you” を使うのも手です。協力会社など対等な関係であれば、“Thanks” でもOKです。

  • 解説3:関係性が近い場合は、結びの応用編として “Have a nice weekend” や “Wishing you a happy new year” など季節の挨拶に変えることも可能です。

  • 解説4:フルネームや会社名が記載されている署名が下にある前提で、ここではファーストネームだけを書くことをおすすめします。日本人の名前を見慣れていない方だと、フルネームを記載した場合、どれがファーストネームなのか、全部がそうなのか判断が付かない場合もあります。相手にどう呼んでもらうかを指定する場として、結びの部分を使いましょう。


内容で気を付けることは?

さて、定型の書き方はお分かりいただけたかと思いますが、内容で気を付けるべきポイントにも少し触れたいと思います。

最初は難しいかもしれませんが、できれば日本語で下書きしたものを英語に訳すことは避けたほうが良いです。日本語で考えながら、最初から英語で書き出してみましょう。そもそも日本語と英語でメッセージの伝え方がだいぶ異なります。日本語の表現をベースにしてしまうと、要望が伝わらなかったり、話がこじれたりなど、問題が起きる原因にもなりかねません。最初から問題の芽はつぶしておきましょう!

例1

日本語
ご依頼いただいた内容を完了しましたので報告いたします。
日本語のニュアンスのまま英語にすると
This is to let you know that we completed your request.
自然な英語だと
We have completed your request.

例2

日本語
最初の2段落は翻訳不要で、最後の1段落のみを翻訳する、という認識で問題ないでしょうか。
日本語のニュアンスのまま英語にすると
Is my understanding correct that the first two paragraphs do not have to be translated but only the last one paragraph should be translated?
自然な英語だと
We understand that we don’t have to translate the first two paragraphs and only the last paragraph should be translated.

かなり具体的な例になってしまいましたが、表現の違いが伝わったでしょうか。

日本語は回りくどく、文章が長くなりがちです。特に疑問文は長いと非常に分かりづらいため、ストレートに表現するか、言い切り型にして、解釈の違いがあれば先方に指摘してもらうほうが明解です

まとめ

英語メールの基本のキ、いかがでしたでしょうか?

交渉事や難しい相手先とのやりとりなど、必ずしも毎回同じ書き方が良いとは限りませんが、日常的なビジネスメールを送る際に参考にしていただけたら幸いです。今まで「何か噛み合わない」と感じていたコミュニケーションが少し改善されるかもしれません。


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