機械翻訳を使った効率的な英文作成のコツを紹介!
機械翻訳が一般的になった今、機械翻訳の翻訳精度は大きく向上しています。Google翻訳のように、オンラインで気軽に無料で使えるものも増えています。
しかし、機械翻訳によって生成される訳文の品質はまだまだ万全とは言い難いです。文書の種類や分野、言語ペアなど、様々な要素によってその品質は左右されます。
本記事では、機械翻訳にかける前の原文を編集する『プリエディット』という方法で、より精度の高い英文を作成するコツをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.機械翻訳の精度
- 2.ポストエディット?プリエディット?
- 3.原文(日本語)編集のコツ
- 3.1.複雑な言葉は簡潔な言葉に書き換える
- 3.2.敬語表現は避ける
- 4.主語を入れる
- 5.目的語を入れる
- 6.まとめ
- 6.1.補足
- 7.川村インターナショナルの翻訳サービス
機械翻訳の精度
Google翻訳を始めとする翻訳サービスに導入されているニューラル機械翻訳は、機械学習の一種である深層学習(ディープラーニング)を使い、繰り返しデータを解析することで作られています。
2016年にGoogle翻訳にニューラル機械翻訳が導入されてから、翻訳精度の向上が幾度となく話題になっていますが、言語ペアによって翻訳精度が大きく左右されるという課題もあります。
スペイン語やドイツ語と英語など、近縁の言語同士の翻訳では高い精度が期待できる反面、日本語と英語の翻訳精度は、文の種類や内容に左右され、場合によっては全く使い物にならないこともある状態です。
ポストエディット?プリエディット?
川村インターナショナルでは、機械翻訳の結果をプロの手で校正するサービス『ポストエディット』を提供しており、筆者も入社以来そのようなプロジェクトに多くかかわってきました。
最近では機械翻訳の精度を向上するために、機械翻訳をかける前段階で原文を編集したり、出力結果が思わしくない箇所の原文を編集したりする『プリエディット』という工程を取り入れたりするようになってきました。
日英翻訳の場合、訳文を編集するポストエディットでは英語力が求められますが、プリエディットは翻訳先の言語に自信が無くても行うことができ、英語の習熟度に関わらずおすすめできる方法です。
ここからは筆者が機械翻訳を使った案件に携わっていくなかで知識として得た、機械翻訳の出力結果の精度向上に繋がる具体的なコツをいくつかご紹介します。
原文(日本語)編集のコツ
複雑な言葉は簡潔な言葉に書き換える
「息の根を殺す」「言わず語らず」「いみじくも」など格調高い言葉や複雑な慣用句などが使われている場合、正しく出力されなかったり、訳抜けしてしまったりすることが見られます。
そのような表現は簡単な言葉に置き換えましょう。
修正前:
(2022年5月時点)
修正後:
(2022年5月時点)
敬語表現は避ける
「恐れ入ります」「よろしくお願いいたします」など、敬語表現は英語で完全に対応する表現が無いことが多いため、機械翻訳で正しく出力されないことが見受けられます。
そのような表現は使わずに「ご連絡いただき恐れ入ります。」→「ご連絡ありがとうございます。」などシンプルな表現に置き換えると正確性がアップします。
修正前:
(2022年5月時点)
修正後:
(2022年5月時点)
主語を入れる
日本語では主語が省略されることがよくあり、主語が曖昧でも文が成り立ちますが、そのような文を機械翻訳にかけた場合、抜け落ちている部分を機械翻訳で補足する必要があります。
そのような場合、間違った語で補完されたり、英語として分かりにくい曖昧な文になってしまったりする可能性があるため、機械翻訳にかける前に主語は入れておくようにしましょう。
修正前:
(2022年5月時点)
修正後:
(2022年5月時点)
目的語を入れる
主語同様、原文で目的語が抜けている場合は、予め補足してから機械翻訳にかけるようにすることで、訳文の精度や英語としての読みやすさを上げることができます。
目的語とは、動作の対象となる語のことです。下記例の場合、『何を』建設するのかという情報になります。
修正前:
(2022年5月時点)
修正後:
(2022年5月時点)
まとめ
本記事では、Google翻訳を例に、機械翻訳の精度を上げるためのコツを紹介しました。機械翻訳の精度は上がったものの、日本語と英語間の翻訳では出力結果をそのまま使うことは、難しいことも多いのが現状です。
機械翻訳を使って英文作成をする機会は、グローバル化が進む中でビジネス/プライベートを問わず増えていくと思います。その中で今回ご紹介したティップスが少しでもお役に立てば幸いです。
補足
無料の機械翻訳サービスは機密情報が機械翻訳学習のために再利用されたり、非商用利用に用途が限定されていたりするものもあるため、ビジネスユースで利用する場合はご注意ください。
川村インターナショナルでは、さまざまな要件(セキュリティ要件、目的、分野、想定ユーザー層など)に応じて、お客様に最適なAI翻訳ソリューションを幅広くご提案いたします。「自社に最適な機械翻訳エンジンがわからない!」という場合はお気軽にお問い合わせください。
川村インターナショナルの翻訳サービス
機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。品質/納期/コストなどの要素のうち、どれを優先するべきかによって、一から人間が翻訳する人手翻訳と、機械翻訳+ポストエディットを使い分けることが、今後より重要になってきます。
川村インターナショナルでは、お客様の抱える課題やニーズに応じて、経験豊富なスタッフが最適なソリューションを提案いたします。翻訳やローカライズに関する悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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