【特別オンライン会談】~with/afterコロナの翻訳業界~⑧機械翻訳エンジンGlobalese
ヒト・モノの移動が制限される中、人々の働き方も大きく変わり、ビジネスの手法にも様々な変化や工夫が見られるようになった。
未だ第一波の収束も見えず、第二波・三波の到来も予想される2020年の夏現在に、世界各国のビジネスパートナーと、これからの翻訳業界について語る。
目次
- 事業活動や働き方への影響
- 「New Normal」な社会
- 翻訳業界とリモートワーク
- ビジネスへの影響
- 機械翻訳のビジネスチャンス
- オンライン会議システムとリモート通訳
- セキュリティリスク
- 機械翻訳エンジンGlobalese
- 機械翻訳サービスの在り方とこれから
第四部(最終回):with/afterコロナ社会を支える新しいサービス②
前田:
新型コロナウイルスによる症例が初めて報告されてから、早くも一年が経過しました。
世界各地で第三波が到来し、多くの都市が再度のロックダウンを余儀なくされる中、パンデミック収束の兆しは未だ見えていません。
しかし、このような状況下でも、我々は社会に適応し、働き方を工夫し、新しいサービスを生み出すことで、経済活動を継続しています。
最終回となる第四部では、「with/afterコロナ社会」を支える新しいサービスとして、機械翻訳サービスの在り方とこれからについてお話したいと思います。
機械翻訳エンジンGlobalese
前田:
Gaborさん、早速ですが、機械翻訳エンジンGlobaleseについて教えて下さい。
第二部でもお話したように、パンデミック以降、機械翻訳サービスの需要が以前にも増して加速しています。
これは、パンデミックによる世界経済の低迷を背景に、お客様の意識がこれまで以上に「予算削減・コストダウン」に向いていることが要因の一つと考えられますが、数ある機械翻訳エンジンの中でGlobaleseが選ばれる理由は何でしょうか?
(参照:Globaleseウェブサイトより)
Gabor:
機械翻訳サービスの需要拡大の背景に、予算削減やコストダウンがあるのは間違いないと思います。
コロナ・パンデミックによる経済損失額は最終的に1000兆円を超えると言われていますからね。企業の意識がより内側に向かうのはある意味、当然の流れだと思います。
さて、Globaleseが他の機械翻訳エンジンより優れている点として、3つの特徴があげられます。
1. 高いカスタマイズ性
2. 低価格・高品質
3. クラウド型・オンプレミス型から選択可能
ひとつずつ、説明していきましょう。
1. 高いカスタマイズ性
一番の特徴は、カスタマイズ(=アダプテーション)が可能という点です。
現在の機械翻訳エンジンは、NMT(ニューラルネット機械翻訳)をベースとしたものが主流で、翻訳結果の精度はエンジンの機械学習(ディープラーニング)に活用する対訳データ(コーパス)の質と量に比例します。
一般的に、Googleなど汎用型の機械翻訳エンジンは、ビッグデータ(多種多様の対訳データ)を活用してエンジンの機械学習を行うため、どうしても汎用的なものになりがちです。
例えば「自社のこの製品群に特化した翻訳結果を出力したい。」といった場合には、不向きなエンジンであると言わざるを得ません。
その点、Globaleseは、ユーザーが自分で対訳データの選択から機械学習までを処理することができるため、希望とする翻訳結果を想定したエンジンを構築し、調整することができるのです。
2. 低価格・高品質
2つ目の特徴は、低価格で高品質であるという点です。
現在、機械翻訳サービスのマーケットには、実に様々なエンジンがリリースされており、主要なものだけでも30種類に上ります。
中にはGlobalese同様、カスタマイズ機能を備えたエンジンもありますが、Globaleseはそれらに比べても、大幅に低価格での導入が可能です。
もちろん低価格なだけではありません。第二部でもお話したとおり、機械翻訳の需要が増えている背景には「コストダウン」以外の目的もあると私は考えています。
Globaleseはその高いカスタマイズ性を活かすことで、GoogleやMicrosoftよりも精度の高い翻訳結果を出力することが可能なのです。
3. クラウド型・オンプレミス型から選択可能
コロナ・パンデミックの影響で在宅での勤務が一般的となると同時に、従来、多くのお客様が抱えていたクラウドサービスへの抵抗感も薄れてきました。ZoomやTeamsなど各種クラウドサービスは、現在最も成長を続けている分野のひとつです。
Globaleseも、当初は高額なIT投資が必須であった機械学習の分野にいち早くクラウドの概念を導入し、ユーザーは月額のサブスクリプション費用だけでカスタム機械翻訳を利用できるようにしてきました。クラウドであることのメリットは費用面も当然ですが、同時に利用開始までのリードタイムが短くてすむことと、不要になればすぐに解約できるという運用の柔軟性も挙げられます。
一方、取り扱うデータの機密性の高さからクラウドでの利用がNGという企業も少なくありません。特に、今後成長が期待される医療分野、金融分野などの企業にとっては、取り扱う情報の特性から、オンプレミスでの導入が不可欠なのです。
前田:
なるほど。ありがとうございます。
これからの「with/afterコロナ社会」では、今まで以上に安全性が求められると思います。
第三部でお話したオンライン会議用プラットフォームもそうですが、クラウドサービスは、利用者・利用機会が増えるほど、セキュリティリスクへの対応が必要になります。
取り扱う情報のセキュリティレベルに応じて、クラウド版かオンプレミス版を選べるのは大きな強みだと思います。
<⑨に続く>