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【特別オンライン会談】~with/afterコロナの翻訳業界~②「New Normal」な社会

ヒト・モノの移動が制限される中、人々の働き方も大きく変わり、ビジネスの手法にも様々な変化や工夫が見られるようになった。

未だ第一波の収束も見えず、第二波・三波の到来も予想される2020年の夏現在に、世界各国のビジネスパートナーと、これからの翻訳業界について語る。


目次

  1. 事業活動や働き方への影響
  2. 「New Normal」な社会
  3. 翻訳業界とリモートワーク
  4. ビジネスへの影響
  5. 機械翻訳のビジネスチャンス
  6. オンライン会議システムとリモート通訳
  7. セキュリティリスク
  8. 機械翻訳エンジンGlobalese
  9. 機械翻訳サービスの在り方とこれから

「New Normal」な社会

前田:
そうですね。今となっては信じられないですが、今年はオリンピックイヤーなんですよね。我々が従事する翻訳業界にとっても、飛躍への起爆剤として期待されていただけに残念です。

ところでGaborさん、欧州はひどいダメージを受けたということですが、Gaborさんのご家族や友人、そして従業員の皆さんは大丈夫ですか?


Gabor:
幸いなことに僕の周りの人々はみんな無事です。

家族はもちろん、従業員達もみんな朝から晩まで忙しく働いてますよ(笑)。

僕が住んでいるドイツは、欧州の中でも比較的ウイルスが抑えられていて、さっき話したイタリアやスペインに比べると状況は「Still better」と言ったところです。

僕の会社の本社があるハンガリーのブダペストも感染者の数はそれほど多くないことから、同じ欧州でも、まだ東ヨーロッパの方が西ヨーロッパより、ウイルスの封じ込めに成功しているのだと思います。


前田:
確かにニュースでよく報道されるのは、イタリア、スペイン、フランス、そしてイギリスなど、どちらかというと西ヨーロッパの国々が多いですね。

ハンガリーやポーランドなど東ヨーロッパでの感染が増えているという話は少ないように思います。


Gabor:
各国(および各都市)の政策やウイルス発生前時点でのインバウンド旅行者の数、さらには人々の衛生観念や文化的背景など、さまざまな要素に起因しているのだと思います。

とは言え、我々の生活習慣やライフスタイル、そしてもちろんビジネスでも大きな影響を与えたことは、西ヨーロッパの国々と変わりません。

公共の場ではマスクの着用が義務付けられ、距離を取ること(=ソーシャルディスタンス)がマナーになり、外食はできるだけ控えてデリバリーやテイクアウトを活用するのが当たり前となりました。


Serge:
アメリカ合衆国でもそれは同じです。

アメリカではふだんの生活でマスクをするという習慣はこれまでありませんでした。むやみにマスクをして外をあるいていると、却って不審がられますから。。

しかしこのマスクの着用というのは、パンデミックが収束した後のWith/Afterコロナ社会における新しい常識になるのだと思います。


前田:
そうですね。香港では既に公共の場でのマスク着用は「義務」になっていて、マスクを着用せずに地下鉄に乗ることは、今となっては考えられません。

もともと人工密度が高い都市なので、距離を取ること自体簡単ではないのですが、それでも意識的に人混みを避けるようになったと思います。


Serge:
香港やバンコクなどアジアの都市は人口密度が非常に高いですね。香港の人口は740万人とニューヨーク市(840万人)に迫る勢いですが、人口密度は20倍になります。

これだけ人口密度が高いと、ソーシャルディスタンスを保つのも、容易ではありませんね。


前田:
はい。レストランやカフェなどは、テーブルを一つ飛ばしで利用するなどの対策が取られていますが、テーブルごとの距離がそもそも近いので、アクリル板やプラスティック製の仕切り板を設置して、接触空間を物理的に遮断しているお店もあります。

一方で、そもそも店内での飲食よりも、テイクアウト(持ち帰り)に力を入れるお店も増えています。

今回のパンデミックが起きる以前にも、ほとんどのレストランがテイクアウトに対応してましたが、今はテイクアウト専門のメニューを開発したり、テイクアウト割引を適用したりなど、色々な工夫が見られます。

また、店内飲食からテイクアウトへのシフトを後押ししているのがフードデリバリー系のアプリです。

日本だとUber Eatsが伸びているようですが、香港でもこういったフードデリバリーアプリの活用シーンが伸びていて、特にFood Pandaというアプリが人気です。

「近場のレストランを自動で検出して、アプリで注文しクレジットカードで決済。」あまりに簡単なので、僕もお昼時によく使ってます。

「お店に集まってみんなで食事」から、「個々に注文して別々に食事」というランチタイムの変化も、新しいライフスタイルとして定着しつつあります。

foodpanda ウェブサイト

森口:
ランチタイムに限らず、生活習慣やライフスタイルの変化というのは、世界共通の「New Normal(=新しい当たり前)」に変わる、と理解したほうがよいと言われていますしね。



③に続く

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