翻訳会社の選び方:打診編
社内で新しいプロジェクトが立ち上がり、あなたはそのプロジェクトで発生する文書の翻訳をする担当者に任命されました。
まれに発生する翻訳ニーズであれば、翻訳会社に見積もりをとって、発注先を決める、通常であればそれで済むのですが、今回は比較的長期間にわたるプロジェクトです。
翻訳業務など経験したことのないあなたは、どのようにこのプロジェクトの委託先を探せばよいのかをまとめました。翻訳会社を選ぶ際の基本的な流れを一緒に見ていきましょう。
今回は打診編です。
目次[非表示]
- 1.翻訳ニーズの確認
- 1.1.翻訳の目的
- 1.2.誰に翻訳してもらうか検討する
- 2.要件をまとめる
- 3.翻訳会社への提案依頼
- 4.おわりに
- 5.川村インターナショナルの翻訳サービス
翻訳ニーズの確認
翻訳の目的
どういった目的で翻訳が必要になったのかを確認しましょう。社内向け、社外向け、急ぎなのか、なぜ翻訳が必要なのか、どういった文書を翻訳する必要があるのかといった概要や、文書毎の言語方向(中国語訳なのか、英訳なのかなど)をまとめます。
誰に翻訳してもらうか検討する
会社によっては、社内に翻訳担当チームや翻訳担当者がいる場合があります。まずは受け持つことになった翻訳プロジェクトを社内で一部でも引き取ってもらえないか、相談してみるのも良いかもしれません。全て翻訳会社に外注する事になった場合でも、業者選定の際に、どのようなポイントに気を付けたら良いかなどの基本的な情報を提供してもらえるはずです。
要件をまとめる
翻訳会社に提案依頼をするための情報をまとめます。RFPを作成してもよいかもしれません。
業務概要
具体的には翻訳を必要とする背景や文書の用途(品質レベル)、言語方向やスケジュール感などです。社内翻訳担当者や既に付き合いのある翻訳業者がいる場合は、どういったサービスを提供しているかを事前に確認し、提案依頼の中に必要要件として盛り込んでおくと、より具体的な提案を得られやすくなります。
選定のポイント
自分たちはどのような点を評価するのかを簡単にまとめます。品質、価格、納期など優先順位をつけても良いかもしれません。ここで注意すべき点として、各翻訳業者は実現可能な提案や、より高評価を得られるための提案を用意するため、その裏に隠れた落とし穴を見落としやすいということです(例えばコスト低減を目的とした結果、品質合意が得られないなど)。選定時は、提案書の送付だけでなく各担当者との打合せを数回設けた方がベターです
また、数年にわたる翻訳プロジェクトの場合、長期的な視点で提案されているかどうか、といった点も重要なポイントです。例えば、機械翻訳やポストエディット、プリエディットなどの話題に明るいかなども判断材料となり得ます。
納品後対応
翻訳会社からの納品物に対するレビュー方法を検討しておきます。
誰がどのようにレビューするのか、レビューした結果をどうするのかなどです。こちらも提案依頼の中に盛り込んでおくとベターです。納品後の不具合や瑕疵への対応については契約として定義しておくことが望ましいです(つまり法務部門との連携も必須です)。
業者選定プロセス
翻訳会社選定のプロセスとスケジュール、実際の翻訳プロジェクト開始時期をまとめます。要求内容に対するQ&A期間、提案書作成、打合せ、品質トライアルなどをマイルストーンとして工程を組むと良いかもしれません。
翻訳会社への提案依頼
上記の内容を簡潔にまとめ、各翻訳会社に打診します。
自身でweb検索するのも良いですが、既に発注実績のある翻訳会社や知人からの紹介や評判を参考にしたり、日本翻訳連盟など、業界団体のwebなどから探すと効率的かもしれません。(というのも翻訳会社は日本国内だけでも数千社あるからです!)
おわりに
いかがでしたか?初めて翻訳会社へ依頼をする、長期間の翻訳プロジェクトを外注する、といった際にはぜひ参考にしてみてください。懸念点や疑問点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
川村インターナショナルの翻訳サービス
品質/納期/コストなどの要素のうち、どれを優先するべきかによって、一から人間が翻訳する人手翻訳と、機械翻訳+ポストエディットを使い分けることが、今後より重要になってきます。
川村インターナショナルでは、お客様の抱える課題やニーズに応じて、経験豊富なスタッフが最適なソリューションを提案いたします。翻訳やローカライズに関する悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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