翻訳会社についての豆知識 ~よくある質問④~
翻訳会社にチェックのみ依頼することはできる?
翻訳会社に渡した原稿に修正が入ったらどうすればよい?
翻訳の依頼を検討している人も、すでに依頼している人も必見!お客様の疑問を解消する「翻訳会社についての豆知識シリーズ・第四弾」です。翻訳会社のことを知らない方も、翻訳会社と取引をしたことがある方も、様々な方に翻訳会社を知っていただくためのコーナーです。
今回の記事で回答する質問は以下の2点です。気になる方はぜひご一読ください!
目次[非表示]
その1 チェックのみの依頼は可能でしょうか?
回答:すでに翻訳後の原稿がある場合、チェックのみ対応することも可能です。チェックには用途に応じて様々なパターンがあります。
パターン1) 対訳チェック(バイリンガルチェック)
対訳チェックは、原文と訳文を照合して正しく訳出されているかを確認するチェックです。事前に翻訳された原稿が本当に正しい翻訳なのか不安な場合や、社内で翻訳を行ってみたが対外向けに使っていいか迷う場合などにお勧めします。
ただし、提供される原稿の翻訳の品質によっては対応が難しい場合があるため、注意が必要です。修正箇所が非常に多い場合、チェックを想定した作業工数におさまりきらず、翻訳をやり直す必要が生じます。
パターン2) ネイティブチェック
ネイティブチェックは、翻訳済みの原稿が自然な表現になっているか、文法が正しいのかという観点で行うチェックです。翻訳後の文章を、その言語を母語とするネイティブのチェッカーが確認し、不自然な言い回しが含まれていないかチェックします。
注意点は、ネイティブチェックでは誤訳や訳抜けなどの間違いには対応できないことです。あくまで訳文が自然な表現か、文法エラーがないかなどの観点で訳文原稿のみをチェックするため、例えば「いちご」を「みかん」と誤訳しても、文中の一部が抜け落ちても気づかれません。
パターン3) アウトプットチェック
アウトプットチェックは、最終的に見た目の不自然さがないか、また言語特有のエラーがないかという観点で行うチェックです。例えば、翻訳そのものは問題ないが、その言語が分からない担当者がDTPを行ったときに、不適切な箇所で改行処理がされることがあります。特にタイ語の場合、改行位置を誤ると意味が変わってしまうため、ノンネイティブの担当者がタイ語のDTPを行うときは、アウトプットチェックは必須となります。
いくつかチェックのパターンを取り上げましたが、それぞれどのような観点でチェックを行い、どんなリスクがあるのかを事前に理解しておくことは重要です。
その2 途中で原稿に修正が入った場合、どのように対応しますか?
回答:差し替え原稿で対応します。修正箇所の差分のみを作業することが可能な場合もあります。
原文の原稿がすべて確定し、翻訳の依頼を出し、Webサイトやカタログ等に反映させ、作業が完了するというのが理想的ですが、そのようにうまくいくとは限りません。制作会社などで働いたことがある方ならばお分かりかと思いますが、あとから原稿に修正が入るというのはよくあることです。印刷物であれば、印刷工程を考慮してデータを完成させる日が決まりますが、それにあわせて翻訳のスケジュールを決めなければなりません。もちろんそのスケジュールを立てて作業したとしても、翻訳を依頼したあとにクライアントからデータの修正を依頼され、修正原稿で再度翻訳を依頼しなければならないケースはよく起こります。そのような場合、翻訳会社は一般にどう対応するでしょうか。
基本的には原稿が修正されれば、通常差し替え原稿で対応します。ただし、すでに作業が進んでしまっている場合、一般的に作業した分は費用が発生します。翻訳作業が一通り終わってしまったあとに依頼される場合、ほぼ倍の料金が発生することも考えられます。もし初回に入稿したデータから単純に一部追加しただけであれば、その追加分だけを抽出して依頼するほうが費用も納期もかかりません。
翻訳作業が一通り終わってから、原稿の複数個所に修正が入ることもあります。WordやExcelなどのファイルの場合、変更箇所の差分を抽出することができるため、その差分だけを作業することも可能な場合があります。ただ、差分の箇所だけ翻訳して納品するのか、初回入稿分から変更のない箇所もすでにある訳文を反映して納品するのかなど、希望する納品形態に応じて金額や納期は異なります。そのため、翻訳会社に詳細を確認して進めることをお勧めします。
余談ですが、この変更箇所について、通常は1文単位で費用が発生します。例えば、「先生は毎週日曜日に図書館へ出かけ、そのあとショッピングモールで買い物をしてから家に帰ります。」という1文があるとして、「日曜日」が「土曜日」に変更されただけだとしても、上記の1文が変更対象になり、金額もこの1文に相当する費用が発生します。そのため、30文字くらいしか変更がなくても、500文字相当の変更としてカウントされることがありますので、注意が必要です。
いずれにしても修正原稿が提供されれば、一般的には工数や費用がなるべくかからない方法で対応することになります。
おわりに
今回はチェックのみの依頼と原稿修正への対応について具体的な方法を解説しました。本シリーズでは、過去にいただいたお客様からのよくある質問に回答しています。過去の記事はこちら。
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