翻訳・機械翻訳・ポストエディットなど翻訳に関連する情報を発信
catch-img

用語集は翻訳者にマスト!語学力だけでは通用しない産業翻訳

用語集は翻訳者にマスト!
語学力だけでは通用しない産業翻訳

翻訳にとって最も大切なことのひとつは用語集の作成/活用だと言ったら意外に思うでしょうか。どんなに翻訳者に語学力があり翻訳文として完成されたものであっても、同じ単語に複数の表現がある用語の不統一があると、品質としてはジャンク品になってしまいます。技術文書やマニュアルなどを扱う産業翻訳では作業全体のやり直しが必要になることもあるのです。なぜそれほどまでに、用語の統一が必要なのでしょうか。

「お客様」が誰か分かっているか?
プロとアマチュアの違い

翻訳と一口にいっても、その種類はさまざまです。大まかにいって、小説やノンフィクションなどの文芸翻訳とは違い、契約書やマニュアル、特許など企業活動を行う上で必要になる文書の翻訳を行うのが産業翻訳です。

一般的には、翻訳といえば文芸翻訳を思い浮かべる人が多いようですが、仕事量や翻訳者の数でいえば圧倒的に産業翻訳の方が多いのです。そして、用語の統一が問題になるのも後者の産業翻訳です。

産業翻訳はその性質上、読み手に解釈を与えてはいけないものです。用語の不統一で誤解が生まれ、その結果商品やサービスを購入した人に損害が発生した場合、損害賠償を請求されたり訴訟を起こされたりすることもあります。

産業翻訳にとって、用語の統一は品質管理の最低条件なのですが、この点を理解していない翻訳者も実際は多数存在しています。翻訳物は、クライアントから依頼されたものであるという意識と、レギュレーションに準拠した成果物を作るという視点を持っているかどうかがプロとアマチュアの違いといえるかもしれません。

もはやアナログでの翻訳は限界!?
翻訳者もテクノロジー対応へ

従来の翻訳作業は、発注者から提供された単語リストやタブ式のスプレッドシートを併用した翻訳者個人で完結するアナログ作業が一般的でした。

用語集が提供されていても、そのものの量が大量で納期が短いにもかかわらずそれを理解するために相当の時間がかかってしまうため、用語集を十分理解しないまま翻訳に着手してしまうケースもあります。

そのため、プロジェクト形式で行う場合は訳者によって訳の不統一が生まれたり、同じ訳者であっても前半と後半とで訳が変わってしまったりといったことが頻発していたのです。

こうしたことを避けるために、現状は翻訳作業を翻訳者に一任するのではなく、発注者や翻訳会社側も何らかの対策を講じる必要があるでしょう。そのひとつがテクノロジーの導入です。

作業のやり直しを避ける救世主の用語集…
そのメリットとは?

用語の不統一を防ぐために、用語集の活用は欠かせません。用語集とは、特定の分野の用語の意味、使用方法を一覧にしたものです。その規則にしたがって各用語を管理することで翻訳作業を効率的で正確なものにすることができます。

用語集の作成は、最初に発注者が用語データベースを作成することが必要です。単に用語を寄せ集めるだけでなく、ひとつひとつの用語の検証や有益な情報が追加されたものを作成します。

翻訳会社レベルでは、データを一元管理しコンテンツの作成と翻訳に関わる全員がアクセスできるデータベースを構築することが求められます。関係者全員がアクセスできれば、用語の情報が追加されたり、更新されたりした場合も、随時その情報を共有できるからです。

そして、翻訳者レベルではTradosやmemoQなどの翻訳支援ツールの導入が必須になりつつあります。導入するだけでなく、その機能を把握し検証コマンドを実行して納品前にエラーや不統一のチェックを行うことがポイントです。グローバル化が進む中で、日々多言語化の必要性と翻訳対象のドキュメントは増加しています。

システムを構築したりツールを使いこなしたりするには一定の障壁がありますが、それを上回るほどの大きな効果が期待できます。

産業翻訳はリサイクル!
高品質・短納期のために

産業翻訳でなぜこれほど用語の統一が必要なのかについて、もうひとつ重要なポイントがあります。それは、産業翻訳はリサイクルだということです。多くのビジネス文書は1から作ることは少なく、修正や改良を重ねて別のシチュエーションで再利用されています。

そのため、用語集などのデータベースで用語の管理を行わないと一貫性が失われ、用語の使い方や翻訳に矛盾が生じてしまう可能性があるのです。一貫性がない翻訳文は再利用が難しいため翻訳作業に時間や労力が余分にかかり、結果として他の仕事に支障をきたすことになってしまいます。

用語集の作成や、関係者全員がアクセスできるデータベースの構築、ツールを使いこなすことなどは翻訳の高品質かつ短納期で翻訳物を作成するには不可欠な取り組みといえるでしょう。

川村インターナショナルの翻訳サービス

今まで用語集を使ったことがない方は、ぜひ実際に用語集を作成して使ってみてください。翻訳において自然と用語が統一され、全体的な品質がグンと上がっていることでしょう。用語集の作成につきましてはお気軽にご相談ください。

  学習データ作成・アノテーションサービス | 翻訳会社川村インターナショナル 翻訳されたコンテンツや資料は、翻訳業務の効率化・コスト削減につながるデータ資産です。機械翻訳学習用の対訳データや、翻訳メモリ、用語集を作成することで、カスタム機械翻訳エンジンを作成したり、翻訳品質の安定化にも。データ資産活用により、エンドユーザーの満足度および自社ブランド力の向上に大きく貢献します。<お見積もり無料> 翻訳会社川村インターナショナル



関連記事

KIマーケティングチーム

KIマーケティングチーム

川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

この記事がお役に立ったらシェアをお願いします!

ホワイトペーパーはこちら

JSAマーク
ISO17100
JSAT 007

認証範囲:
金融・経済・法務、IT、医療・医薬、電気 ・機械、航空宇宙分野の技術翻訳サービス 及びソフトウェアローカリゼーション
SGS_ISO-IEC_27001_with_ISMS-AC
※当社では、ISO17100に準拠した翻訳サービスを提供可能です。
準拠サービスをご希望の場合は、ご依頼時にお申し付けください。