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何が変わった?子供たちの英語教育のいま

川村インターナショナルには、子育てしながら働く従業員がたくさんいます。産休・育休から復帰して働く母はもちろん、育休の取得経験のある父も複数名在籍しており、子どもを抱えて働くにあたって持ちつ持たれつサポートし合える職場です。

筆者も中学生と小学生の子供がいる母ですが、子どもたちの英語学習が私たちの学生時代とは全く異なることに驚かされます。そこで、英語をはじめとする諸外国語を扱う翻訳会社の従業員として、このブログでは小中学校の英語教育の現在についてご紹介してみたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.小学校英語教育、必修化
  2. 2.中学年
  3. 3.高学年
  4. 4.英検の改革
  5. 5.まとめ
  6. 6.参考
  7. 7.川村インターナショナルのサービス

小学校英語教育、必修化

2020年4月より、新しい学習指導要領の実施によって、小学校での英語教育が必修化されました。今後より進展していくグローバル化に備え、国際社会で活躍できる人材を育成していくことをねらいとして、世界に通用する実践的な語学力を身に着けられるよう、英語教育が強化されています。

小学校の英語教育は3年生から始まります。3年生と4年生(中学年)では「外国語活動」、5年生と6年生(高学年)では「外国語」という教科として実施されています。「外国語活動」はいかに英語に親しむかを目的とし、「外国語」では英語の基礎力の習得を目指すことになります。授業時数(1単位時間= 45分)は、「外国語活動」が年間35単位時間(週1コマ程度)、「外国語」が年間70単位時間(週2コマ程度)とされています。


中学年

中学年の「外国語活動」では、英語の目標が「聞くこと」、「話すこと[やり取り]」、「話すこと[発表]」の3つの領域で設定されています。では、学習指導要領に記載されている「話すこと[やり取り]」と「話すこと[発表]」の目標を見てみましょう。

【話すこと[やり取り]】
 
ア          基本的な表現を用いて挨拶, 感謝, 簡単な指示をしたり, それらに応じたりするようにする。


イ          自分のことや身の回りの物について, 動作を交えながら, 自分の考えや気持ちなどを, 簡単な語句や基本的な表現を用いて伝え合うようにする。
 
ウ          サポートを受けて, 自分や相手のこと及び身の回りの物に関する事柄について, 簡単な語句や基本的な表現を用いて質問をしたり質問に答えたりするようにする。
 
 
【話すこと[発表]】
 
ア          身の回りの物について, 人前で実物などを見せながら, 簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
 
イ          自分のことについて, 人前で実物などを見せながら, 簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。
 
ウ          日常生活に関する身近で簡単な事柄について, 人前で実物などを見せながら, 自分の考えや気持ちなどを, 簡単な語句や基本的な表現を用いて話すようにする。




「小学校学習指導要領」より抜粋



実際に筆者の子どもに聞いたところ、身近なあいさつや「今何時?」「何色が好き?」といったやり取りを通してコミュニケーションを図ったり、写真やイラストを使って自分の好きなことや夏休みの体験を簡単な英語で発表したりしているそうです。また、英語の歌をうたうこともあるそうです。


高学年

高学年の「外国語」では、中学年と同様の「聞くこと」、「話すこと[やり取り]」、「話すこと[発表]」に加えて、「読むこと」「書くこと」も扱います。「外国語活動」にはなかった「読むこと」「書くこと」について、学習指導要領には以下のような目標が挙げられています。

【読むこと】
 
ア          活字体で書かれた文字を識別し, その読み方を発音することができるようにする。
 
イ          音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする。
 
 
【書くこと】
 
ア          大文字、小文字を活字体で書くことができるようにする。また, 語順を意識しながら音声で十 分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を書き写すことができるようにする。
 
イ          自分のことや身近で簡単な事柄について, 例文を参考に, 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現を用いて書くことができるようにする。




「小学校学習指導要領」より抜粋



高学年では、大文字・小文字、終止符、疑問符、コンマなどの符号、発音やイントネーション、慣用表現、基礎的な文法や文構造などについて学んでいきます。基礎的な文法には肯定文・否定文・命令文・疑問文・代名詞・動名詞などが該当するとされています。

私たち親世代は「読む」「書く」からスタートしましたが、現在では、いわゆる英語の4技能「聞く」「話す」「読む」「書く」をバランスよく習得し、英語を実際に使えるようになることを目指しているそうです。

また、小学校で扱う英単語は600~700語程度とされていますが、必ずしも「話せる」「書ける」ことを必須としているわけではなく、「見ればわかる」「聞けばわかる」単語を増やしていくことを目標としているようです。


英検の改革

親世代でもなじみ深い英検(実用英語技能検定)。受けたことがある方も多いのではないでしょうか。

その英検も英語4技能化に向けて、2016年に大きく変更されました。4、5級でのスピーキングテストの導入、ライティングの採点方法の変更、問題形式の変更、試験時間の変更などに加え、全級において「CSE2.0」に基づく「英検CSEスコア」が技能別に算出されるようになっています。

CSEとはCommon Scale for English(英語のための共通尺度)の頭文字で、CEFR※ という国際標準規格と関連性を持たせて開発されたユニバーサルなスコア尺度です。以前の英検は級の合否のみを判定する試験でしたが、グローバル化に伴い、国際的にも通用する評価指標の必要性が高まったため、CSEスコアが導入されました。これにより受験者は自身の実力を世界基準でより正確に把握できます。また、大学入試においても英検の級の取得だけでなく、英検CSEスコアが求められることがあります。

さらに、2024年度にも問題形式が一部リニューアルされ、2025年度には新しい級が新設されるなど、英検の刷新が進んでいます。

※CEFR:Common European Framework of Reference for Languages(「ヨーロッパ言語共通参照枠」)。2001年にCouncil of Europeによって公開された外国語の評価指標で、欧州全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に使用されています。 


まとめ

いかがでしょうか。親世代よりもより身近になった英語学習。
お子さんとの会話の一つに「今ってどんな勉強してるの?」と聞いてみては?
「えーそんな楽しい授業やってるんだ!」と知ることができるかもしれません。


参考

『小学校学習指導要領(平成29年告示)』
https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h29e/index.htm

『【外国語活動・外国語編】小学校学習指導要領(平成29年告示)解説』
https://www.mext.go.jp/content/20220614-mxt_kyoiku02-100002607_11.pdf

日本英語検定協会ホームページ
https://www.eiken.or.jp


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