ヤード?メートル?フィート? ゴルフの単位の不思議
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国際的な単位とそれぞれの国特有の単位
世界には距離や長さを測定する色々な単位があります。「メートル」、「ヤード」、「マイル」、日本では「尺」、「寸」などのように、それぞれの国で様々な単位が使用されています。
多種多様な単位による混乱を防ぐため、国際度量衡総会にて「国際単位系 (SI)」と呼ばれる世界共通の単位が制定されました。「国際単位系 (SI)」で定められた単位には長さの「メートル」、重さの「キログラム」などが含まれており、これらは日本人にとっても日常的に慣れ親しんでいる単位といえるでしょう。
ゴルフでよく聞く「ヤード」とは?
そんな中、ゴルフをしない方にはまったくなじみのない単位があります。
それは「ヤード」(表記:「yd」)です。ちなみに、1ヤードは0.9114メートルです。私もゴルフを始める前まではこの「ヤード」という単位にまったくピンときませんでした。
しかし、今ではピンまでの距離や自分のクラブの飛距離などは自然とヤードで理解しており、すっかり体に馴染んでしまっています。なぜ、ゴルフは「メートル」ではなく「ヤード」で表記されるのでしょうか。
その理由は「ヤード」という単位は主にイギリスやアメリカで多く使用されていて、ゴルフがイギリス発祥ということもあり、イギリスで使用している距離の単位もそのまま日本に来てしまったからだといわれています(※諸説あります)。
ゴルフの単位統一の試み
1970年代に、日本人に馴染みのない単位を、上記に記載した「国際単位系」で統一しようとする動きがあり、ゴルフも「ヤード」から「メートル」に表記が変わった時期がありました。その際、ゴルフ場はもちろん、練習場、スコアカード、コース上にある距離を示す杭なども変更する必要があり、かなりの手間だったようです。
しかし、この変更は長くは続かず、ゴルフに慣れ親しんだプレーヤーにとって、「メートル」より「ヤード」の方が距離感を測りやすいとのことで結局「ヤード」表記に戻ってしまいました。
ゴルフでは「ヤード」以外も使われる
ただ、面白いことにゴルフではメートル法を使う場面もあります。それはボールがグリーンに乗ったときです。よくテレビなどで「○○選手、ピンまで残り3メートルです。これが入れば優勝です。」というようにグリーン上では「メートル」で伝えているのを聞いたことがあるかもしれません。
グリーン上では1ヤードよりも短い距離で表す必要があり、その際に「メートル」や「センチメートル」で表記されます。
ちなみにイギリスやアメリカはグリーン上では「フィート」を使用します(1ヤード=3フィート)。日本のゴルフでは「フィート」は使用しないと思いきや、グリーンの速さを示す単位は「フィート」を使用します。
特別な機器(スティンプメーター)を使用してグリーン上でゴルフボールを転がしてその距離を測定し、どれくらい転がったかでグリーンの速さを算出するのですが、このときに転がった距離を「フィート」で表記します。さらにいうと、グラフクラブの長さはメートルではなく「インチ」を使用します。1インチの長さは25.4mmです。
このようにゴルフでは、「ヤード」、「メートル」、「フィート」、「インチ」と4種類の単位を使用しているのです。
まとめ
日本のゴルフで使用する単位の使い分けは独自に発展した、まるで携帯電話のようなガラパゴスな感じがしますね。ちなみに他のスポーツで「ヤード」、「フィート」を使用しているのはアメリカンフットボールがあります。「アメリカン」と名前に付けられている通り、ヤードを使用しているアメリカ発祥のスポーツであるため、ゴルフと同じ理由で単位もそのままになっています。アメリカではサッカーや野球、バスケットボールを抜いてアメリカンフットボールが最も人気のスポーツとして親しまれているため、こちらはメートルに統一することは難しいかもしれません。
次回は逆に日本独自の単位について、ご紹介してみたいと思いますのでお楽しみに!
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