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DXにつながるアノテーション

DXにつながるアノテーションの活用法

皆様、アノテーションという言葉を耳にしたことはありますか。文字通りの意味は「注釈」の意味になりますが、「アノテーション」という言葉はさまざまな分野で登場します。Adobe Acrobatなどのpdfソフトウェアにおいては、ファイルにコメントや線や円などの記号を入れることができる機能を指します。また、遺伝子やゲノムの分野でのアノテーションは、遺伝子配列に対して注釈付けを行うことを意味します。 

皆様がどのような業界に所属しているかで、アノテーションときいて連想するものが全く変わるとは思いますが、今回はデータアノテーションAI・機械学習におけるアノテーションの意味と用途について、ご説明します。 

目次[非表示]

  1. 1.アノテーションの意味
  2. 2.主な用途
  3. 3.データ活用や管理のためのアノテーション
  4. 4.まとめ
  5. 5.川村インターナショナルの翻訳サービス

アノテーションの意味

この領域でのアノテーションとは、テキスト、画像、動画などのデータにラベリング(メタデータ付与)を行うことを指します。ラベリングすることにより、データに意味を持たせ、ある情報と別の情報を紐付けすることができます。これにより、データの分類や解析、AI用学習データの作成が可能になります。 

主な用途

昨今、アノテーションが特に大活躍している場はAIのための機械学習の場です。大量のアノテーションデータは教師データ*として使用されます。 

*教師データとはAIが機械学習を行うためのデータです。このデータを元にAIは学習し、正否判断を行います。 

意味を持たないデータをそのままAIに学習させることはできません。また、意味が不正確なデータをAIに学習させても、精度の悪い結果が出力されるだけで意味をなしません。使えるデータを大量に用意し、学習させることが極めて重要になります。そのために、データに対して正確なアノテーションを行い、AIが学習できる正しいデータを作成することが肝要です。 

上記のアノテーションの活用法については、さまざまな媒体で紹介されていますが、以下では、あまり取り上げられないデータ活用や管理のためのアノテーションについてご紹介します。 


データ活用や管理のためのアノテーション

上記以外の用途として、アノテーションはデータ活用や管理にも利用することができます。アノテーションを活用すれば、例えば、次のことが可能になります。 


  1. 画像や音声を認識可能なテキストデータにし、必要な用語や情報を抽出した一覧を作成できる 
  2. 画像や音声にメタデータを付与し、希望するカテゴリごとにデータを分類することができる 
  3. 形態素解析を使い、形容詞や副詞だけを抽出し、肯定的な反応と否定的な反応に分類できる 

1について、例えば、手書きの文書をスキャニングした文書はそのままでは文字認識が不可能です。文字認識できるようにするために、専用のツールを用いてOCR(Optical Character Reader)*を行います。音声や動画データも音声認識技術を使用することにより、テキスト化することが可能になります。 

*OCRとは光学文字認識を意味し、画像を文字データに変換することを指します。 

文字認識や音声認識技術によりデジタル化された文書やデータは管理面で優れています。さらに、これに加えてアノテーションを行うと、必要な用語や情報を抽出したデータが一目でわかるリストを作成できます。この抽出作業にはアノテーション専用のツールや技術が使用されますので、通常の手作業に比べ、正確性と効率性が格段に向上した状態で行われます。 

2について、通常、画像や音声などのデータは、作成時に一定のメタデータが付与されています。メタデータとはこの場合データの中身を説明する情報になります。 

例えば、スマホで撮影した写真の画像ファイルの詳細確認を行うと、撮影日時や位置情報などが表示されます。これらの情報は、自動的に付与されたものですので、データとして活用するには不足しています。 

そのため、まず使用者側でデータのカテゴリと定義を行った上で、アノテーションの実施が必要となります。このアノテーション作業をすると、画像や音声データの分類リストを作成でき、使用者のニーズにピンポイントにマッチしたデータ管理やデータ活用が可能になります。 

3については、形態素解析*をアノテーションと組み合わせて利用すると、たとえば、SNS投稿などを肯定的な反応と否定的な反応に分類して集計することができます。この集計結果を解析すれば、製品開発や改善に活かすことができます。 

*文を単語に分け品詞などを判定する技術で、文章データから有益な情報を取り出すことができます。 

上記のどのような例においても共通することは、アノテーションをうまく活用すれば、データ確認の作業時間やデータ管理の手間を大幅に削減することができるということです。また、弊社の場合、上記は日本語だけではなく、英語や他言語の文書に対してもアノテーションサービスを提供しております。


まとめ

アノテーションという言葉が聞き慣れない方もいらっしゃると思いますが、イメージをつかむヒントになりましたでしょうか。 

弊社は、テクノロジーに強い言語のスペシャリストとして、上記のようなアノテーションサービスも提供しております。言語に特化したテクノロジー開発を行っており、コンテンツの特性を理解、考慮したサポートを提供いたします。 

具体的なアノテーションの活用方法がまだ見いだせない場合でも、弊社にご相談いただければ、お客様の課題を解決する方法をご一緒に検討いたします。この機会にアノテーションにご興味をもたれましたら、お気軽にご相談ください。 


川村インターナショナルの翻訳サービス

川村インターナショナルでは、技術翻訳に強い会社および言語のスペシャリストとして、アノテーションを活用してデータを資産に変えるお手伝いをし、皆様のデータ活用を全力でサポートいたします。以下のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

  • 翻訳コスト削減につながる、翻訳用データを作成したい
  • AI用の学習データを作成したい
  • データを見える化して翻訳以外にも活用したい
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