【2024年最新版】動画コンテンツと字幕翻訳
スマートフォンやタブレットの普及、そしてYouTubeやTikTokをはじめとしたプラットフォームの多様化に伴い、動画コンテンツはマーケティング手法の1つとして欠かせないものになりました。
国内外を問わず、様々な企業が顧客へのアプローチ手段として動画による広告や商品紹介を行っています。
ここで重要になるのが、「字幕翻訳」です。
字幕翻訳と聞くとドラマや映画の字幕を思い浮かべる方が多いと思いますが、企業のグローバル化に伴い、自社で扱うプロモーションビデオや製品紹介ビデオなどの字幕翻訳の需要が増えています。近年では音声なしの動画も人気が出てきており、字幕の重要性がますます高まっています。
このように、業界でも大きな成長が期待されている字幕翻訳ビジネスですが、翻訳会社ではどのように取り扱われているのでしょうか。その実態を解説します。
目次[非表示]
- 1.高まるマーケティング動画コンテンツへのニーズ
- 2.字幕翻訳のお見積もり
- 3.字幕翻訳の作業フロー
- 4.字幕翻訳のルール
- 4.1.➀1秒4文字ルール
- 4.2.②1画面の字幕表示は2行まで
- 4.3. ③句読点
- 5.マーケティング動画の主流は短編動画!!
- 6.川村インターナショナルの翻訳サービス
高まるマーケティング動画コンテンツへのニーズ
今ではネット上にありふれた企業のプロモーションビデオ。
個人でも簡単に作れてしまう動画コンテンツですが、以前は取り巻く環境が全く違いました。
企業向けの動画製作といえば、一昔前までは大きな予算を使った一大プロジェクトであるという通念があり、長時間にわたる映像が多く作られていました。
動画コンテンツ制作のハードルが下がるにつれて、動画の数もどんどん増えていき、自社のホームページだけでなく動画投稿サイトなどの活用も活発になりました。
多くの企業が動画コンテンツを公開していますが、グローバル展開をしている企業において、動画に字幕をつけたい!というニーズが高まっています。
字幕翻訳のお見積もり
契約書やマニュアルなどの「文書」を翻訳する場合、1ワード(または1文字)ごとに定められた単価を適用して費用を見積もります。
一方、字幕翻訳の場合は、ほとんどの場合はお見積もりの時点で「原稿」がないことから、動画で流れる音声を数値化する手段がありません。
動画1分あたり○○円~という風に、動画の長さに応じてお見積もりすることが一般的です。
字幕翻訳の作業フロー
それでは、字幕翻訳の案件はどのような工程を進んでいくのでしょうか?作業の流れは通常の映像翻訳と同じで以下のような工程を踏みます。
- 音声の書き起こし
- 翻訳
- ハコ書き+スポッティング
- 仮ミックスの作成
音声の書き起こしでは動画で流れる翻訳対象の音声をテキスト化します。
かつては人が耳で聞き取り、文字起こしをしていましたが、現在では自動音声認識の技術が活用されつつある工程です。(詳しくは弊社の関連ブログ記事『【2021年最新版】破壊的テクノロジー!!字幕翻訳の革命』をご覧ください。)
文字起こしされたテキストは翻訳の工程で翻訳者の手によって対象の言語に訳されます。
翻訳が完了したら、ハコ書き(映像を見ながらスクリプトにあるセリフやナレーションを字幕ごとに区切る作業)とスポッティング(映像と字幕のタイミングを合わせる作業)を行います。
せっかくいい字幕翻訳が出来上がったとしても、動画と字幕のタイミングがずれてしまうと意味を成さなくなってしまうので、慎重な作業が求められます。
タイミングを合わせた後は、動画に出来上がった翻訳を入れ、仮ミックスを作成します。動画に字幕が入った状態の仮ミックスをお客様に確認してもらい、表現の変更や字幕位置の移動などの微調整を、お客様の指示に従いながら加えます。
こうして動画字幕は完成します。
字幕翻訳のルール
映像字幕翻訳の世界には様々な独自のルールが存在します。
産業翻訳の業界でも、ある程度はこのルールに準拠しますが、お客様は映像関係の業界の方ではないため、そのようなルールをご存じない場合が多いです。
そのため、作業時にはお客様にこれらのルールを説明しながら進めていくことになります。
➀1秒4文字ルール
字幕翻訳の最大の特徴として、「1秒あたり4文字」を基本とするルールがあります。
これは、子どもからお年寄りまでストレスなく読めるスピード、ということで1930年代には確率されていました。この限られた文字数でいかに内容に即した言葉を選ぶかが、字幕翻訳の極意ではないでしょうか。ただし、これは旧来のルールであり、もう少し情報量を増やす必要のあるビジネス用の字幕では柔軟に変更できるものです。
②1画面の字幕表示は2行まで
「1画面の字幕表示は2行まで」も字幕翻訳の基本的なルールの一つです。また1行あたりの文字数を13文字以内にすることが原則ともされています。それ以上の長さでは、視聴者が映像の内容に集中できず字幕を追うことに精一杯になってしまいます。また、映像内容との時間のギャップが生まれ、映像が変わっても前の翻訳が残ってしまいます。
産業翻訳では、基本的にこれらのルールを踏まえながら、情報量によってある程度柔軟な対応をする必要があります。B to B企業の場合、対象視聴者が取引相手のため、子どもやお年寄りが視聴者については考慮する必要がないことも理由の一つです 。
また、外資系企業の製品やサービスには長い横文字が続くこともあるため、1秒4文字ルールや字幕表示のルールを守ることが不可能な場合もあります。お客様は製品やサービスを知ってもらうために字幕を作成するものなので、ルール厳守!といって文字を削っては本末転倒になってしまいます。
③句読点
一般的に、字幕翻訳では句読点は使いません。
句読点の代用として、読点は半角スペース、句点は全角スペースで表します。
お客様からのフィードバックで句読点を入れてお戻しいただくこともありますが、このルールを説明すると皆さん納得されます。
日本では、フィルム時代の技術的な問題で生まれたルールが継承されていますが、 逆に英語の字幕では普通にカンマやピリオドが使用されているのは興味深いところです。
マーケティング動画の主流は短編動画!!
企業のグローバルマーケティングが進み、動画が世の中にあふれるようになると、今度はせっかく長編の映像を作っても最後まで見てもらえないという状況が多発するようになりました。
多忙な現代人が仕事の合間に1時間の映像を見るのは、よほどのモチベーションがなければ難しいのです。
そこで、だんだんと10分程度にまとめられたビデオが作られるようになり、今では5分以内が主流となっています。
導入編としてイメージビデオ風に1~2分程度の映像も多く作られています。
こうして、かつては1時間規模の長時間だった動画コンテンツがどんどん短くなっていったのです。
こういった変遷を見ると、いかに企業が動画コンテンツを見てもらうために工夫しているかがわかりますね。
川村インターナショナルの翻訳サービス
川村インターナショナルでは、お客様から提供していただいた動画ファイルの音声を書き起こし、翻訳して字幕を挿入するまでのサービスを提供いたします。AIを活用することで、急ぎのご依頼や大量の字幕作成にも対応いたします。
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