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この言葉、英語で正しく言えますか? ~最近ニュースでよく聞くメディカル用語~

本記事では、医薬翻訳の専門性に対応できる制作体制を構築している川村インターナショナルより、新型コロナウイルス感染症と関連する用語の英語表現をご紹介します。​​​​​

新型コロナウイルスの感染によって引き起こされる疾患「新型コロナウイルス感染症」、英語圏ではどのような言葉が使われているのでしょうか?

目次[非表示]

  1. 1.新型コロナウイルス感染症
  2. 2.オーバーシュート
    1. 2.1.オーバーシュート≠overshoot
  3. 3.ソーシャル・ディスタンス
    1. 3.1.ソーシャル・ディスタンス≠social distance
  4. 4.クラスター
  5. 5.3密
  6. 6.まとめ
  7. 7.川村インターナショナルの翻訳サービス


新型コロナウイルス感染症

英語圏では、「新型コロナウイルス感染症」を指す言葉として、COVID-19という言葉が広く使われています。WHOによって正式に定められたcoronavirus disease-2019の省略形の言葉です。

「新型コロナウイルス」を指す場合は、単にcoronavirusという表現が使われることが多いです。現時点でコロナウイルスといえば、2019年に発見されたコロナウイルスを指すことが多いため、「新型」は省略されていますが、他のコロナウイルスと区別したい場合は、「新型の」という意味の“novel”を前に置いて、novel coronavirusという言い方もあります。 


オーバーシュート

コロナウイルスに関する報道で時折耳にする言葉の一つである、「オーバーシュート」。

コロナ感染者の爆発的急増を意味します。英語にする場合、overshootと表現できそうなものですが、どうなのでしょうか。

オーバーシュート≠overshoot

コロナ患者の爆発的急増という意味で、“overshoot”という単語は一般的には使われていません。海外メディアが小池知事の発言を訳出する際などは「オーバーシュート」の訳語として”explosive outbreak”や“explosive rise/spike/growth in cases”などの表現が使われているようです。英語で「オーバーシュート」を表現する場合、(「爆発的な」という意味は若干トーンダウンされますが)「急激な上昇」を意味するsharp risespikeなどを使っても良いと思います。

<例>

Warning of the risk of an explosive rise in coronavirus infections in Japan’s capital, Tokyo’s governor on Wednesday asked residents to avoid non-essential outings through until April 12. 

(参照:Tokyo governor asks residents to stay home to avoid sharp coronavirus rise, REUTERS

ソーシャル・ディスタンス

コロナ関連の報道では、「対人距離を確保する」という意味で使われるソーシャル・ディスタンス。感染予防のために、周りの人と物理的距離を大きく取ることを指します。

ソーシャル・ディスタンス≠social distance

英語では、同じ意味の言葉としてsocial distancingphysical distancingという言葉をよく目にしますが、social distanceは見たことがありません。英語でsocial distanceとsocial distancingは全くの別物のようです。

social distanceの意味する「社会的距離」は、物理的な対人距離のことではなく、異なる人種・民族・階級などの間に存在する概念的な距離(隔たりなど)を指すようなので、注意する必要がありそうですね。

<例>

Scotland's largest city is changing some of its road layouts to allow more physical distancing to take place.

(参照:Glasgow makes street changes to help physical distancing, BBC


クラスター

新型コロナウイルス感染症に関する報道で、集団感染を意味する言葉として使われる、「クラスター」。様々な意味を持つ言葉であり、調べてみると下記の通り、新型感染症以外にも様々な場面で使用されることがわかります。

クラスター【cluster】 の解説


1 同種のものや人の集まり。群れ。集団。


2 都市計画などで、個々の建物・道路・空き地などを相互に関連させて一つの集合体としてとらえ、配置すること。


3 原子や分子の集まりの中で、特定の一部の原子や分子が結びついて一つのかたまりとなり、物理的に安定し、かつその集まりの中で一定の役割をになっている状態。


 4 コンピューターの磁気ディスクなど、円盤状の補助記憶装置を管理する単位。同心円状に分割した区画をトラック、それを放射状(扇形)に等分割した区画をセクターといい、複数のセクターをまとめたものをクラスターとする。


5 あるテーマを中心にする大学・研究機関の集合体や、ある技術を中心とする企業の集合体のこと。


6 ある疾患が、特定の集団内において、予測よりも多くみられること。また、その集団。


(参照:goo 辞書)

「クラスター」の語源である英語のcluster。英語で集団感染を表現する際にも同様にclusterを使っているケースが見受けられました。

<例>

cluster of five positive Covid-19 cases has been confirmed in the NHS Forth Valley area.

(参照:Coronavirus: Cluster confirmed in Forth Valley and Glasgow, BBC)


NSW health authorities say a new case of COVID-19 linked to the Hoxton Park cluster in south-west Sydney has been reported since 8:00pm on Saturday.

(参照:New COVID-19 infection linked to Hoxton Park cluster in south-west Sydney, health authorities say, ABC News

3密

日本政府によって、感染対策として提唱される「3密の回避」。感染拡大防止のスローガンとして、最近作られた言葉です。3密=密閉空間、密集場所、密接場面の最初の一文字を取った言葉ですが、英語ではそれぞれClosed spacesCrowded placesClose-contact settingsとの定訳があり、最初の1文字を取ってThree Csと訳されます。

まとめ

新型コロナウイルスに関する英語表現について紹介させていただきました。英語が語源に見える言葉もいくつかありましたが、調べてみると和製英語であったりして、意外な発見がありました。

依然として終息が見えない状況ですが、感染対策を怠らず、この状況を乗り切りましょう!


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