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機械翻訳と人手翻訳

機械翻訳vs人手翻訳⇒機械翻訳+人手翻訳

ご好評いただいている「機械翻訳vs人手翻訳」シリーズのスピンオフとして「機械翻訳vs人手翻訳⇒機械翻訳+人手翻訳」と題し、機械翻訳と人手翻訳をうまく活用する方法をご紹介します。


前回までの記事では「機械翻訳vs人手翻訳」ということで、それぞれのメリットやデメリットに着目しました。ここではその視点を少しかえて、機械翻訳と人手翻訳をうまく活用することで、翻訳におけるQCD(Quality:品質、Cost:費用、Delivery:納期)を向上させましょうというお話をいたします。


目次[非表示]

  1. 1.新定番!「TM+MT+PE」
  2. 2.「TM+MT+PE」のメリット
  3. 3.「TM+MT+PE」のデメリット
  4. 4.まとめ
  5. 5.川村インターナショナルの翻訳サービス

新定番!「TM+MT+PE」

機械翻訳と人手翻訳をミックスさせた翻訳方法について触れていきますが、先ずは補足までに用語の簡単な説明を以下に記載します。

  • TM(Translation Memory):翻訳メモリといわれるもので、過去の対訳が蓄積されたデータのこと
  • MT(Machine Translation):機械翻訳
  • PE(Post-Editing):ポストエディット。機械翻訳の出力結果を人手で修正すること

次にフローについてお話しますが、これは至ってシンプルです。

翻訳支援ツールを利用してTM(翻訳メモリ)を参照することで過去の翻訳を流用し新規性の高い文章や単語にはMT(機械翻訳)を使用します。その後、機械翻訳の出力結果に対してPE(ポストエディット)を施すことで、効率的に翻訳を進めてQCDを向上させることを目指す方法です。

QCDを向上させるとさらっと言いましたが、具体的に言うと、TMを活用することで機械翻訳の品質面のデメリットを減らせるだけでなく、人手翻訳における作業負荷やコストの低減、納期短縮にもつながります。


ただ当然メリットばかりではないので、「メリット・デメリット」に関してお話をしたいと思います。


「TM+MT+PE」のメリット

先ずは「メリット」に関して、3点に絞って述べていきます。



1. QCDの最適化が可能

1点目はすでに述べたように「QCDの最適化が可能」なことが挙げられます。補足すると、TMを使用するにあたっては、流用性が高いもの、例えばマニュアル等の場合には有効なケースが多いですが、流用性が低いものの場合、あまり効果がない可能性があることはご留意ください。


2. 各種翻訳支援ツール(CATツール)に連携可能

2点目は「各種翻訳支援ツール(CATツール)に連携可能」なことです。SDL Trados StudioやmemoQ、Memsourceといった様々なCATツールと連携可能なことが挙げられます。


3. HTMLやXML等のタグ付きデータも対応可能

そして3点目は、CATツールと連携することで「HTMLやXML等のタグ付きデータも対応可能」となることです。機械翻訳は本来、翻訳不要なタグの内部も翻訳してしまうため、これらの翻訳には向いていません。しかし、この方法だとタグ内を翻訳せずに機械翻訳を活用することが可能となります。



「TM+MT+PE」のデメリット

次に「デメリット」を見ていきましょう。こちらも3点に絞って述べていきます。


1. CATツールの使用が前提となる

先ず1点目ですが、これはなんと言っても「CATツールの使用が前提となる」ことです。CATツールの使用にはライセンス料がかかりますし、社内で定期的にまとまった量の翻訳をしていない場合には、手に余る可能性が高いので注意が必要です。

ただ、CATツールを持ってないとTM+MT+PEを活用できないのかというと当然そんなことはありません。これからCATツールを導入しようと考えている人にはもちろん、自社にCATツールは導入してないが、翻訳会社に依頼した際は翻訳メモリも納品してもらっているといった会社であれば、このフローをとることが可能です。

また、上記に該当しない企業でも、過去の対訳から簡単に翻訳メモリを作成できます。類似性の高い文書が多く、今後機械翻訳を活用していきたいという場合には、TMを作成して、TM+MT+PEで翻訳する方法が可能です。


2. TMは一定以上の品質でないと使いづらい

2点目は、「TMは一定以上の品質でないと使いづらい」ということが挙げられます。これは、流用する上で対訳の品質が悪い場合には、それが訳文に反映されてしまうため、そのまま使うのは難しいということです。


3. TMの品質低下の可能性がある

最後に3点目は、「TMの品質低下の可能性がある」ことです。MT+PEでは基本的にMTの出力結果を基に修正をするため、TMの訳文を基にしている場合には、品質に差が生じる可能性があります。これに関しては対策が可能ではありますが、ここでの説明は割愛します。気になる方は弊社までお問い合わせいただければ幸いです。

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​​​​​​​TM+MT+PEのフローはあくまでも使用例ですが、こちらに記載したメリットとデメリット、また過去の記事に記載した機械翻訳や人手翻訳の特徴を知った上で、機械翻訳を日常の業務にうまく取り入れていただければと思います。


まとめ

いかがでしたでしょうか。次回は内容未定ですが、ご好評の波に乗って「機械翻訳vs人手翻訳」に関連する記事を配信予定です。

それでは、また次回お会いしましょう。



川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。ポストエディット (Post Editing) とは、スピードとコスト重視の機械翻訳だけでは品質が不十分な場合に、人手による後編集を適用して、お客様が求める翻訳に仕上げるサービスです。すべてのコンテンツ、文書に対してポストエディットが適しているわけではありませんが、ローカリゼーションを中心にマーケティング翻訳、マスメディア翻訳などはポストエディットに向いている文書と言えます。また機械翻訳エンジンの進化、変化に伴い、ポストエディターに求められる能力も徐々に変わってきています。今後も機械翻訳とポストエディットの動向に目が離せません。

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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