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機械翻訳VS人手翻訳

機械翻訳VS人手翻訳 番外編

今回は過去の記事である「機械翻訳VS人手翻訳」がご好評だったことを受け、「機械翻訳VS人手翻訳 番外編」と題して、機械翻訳の優位性に関して触れていきたいと思います。



目次[非表示]

  1. 1.機械翻訳は使えない!?
    1. 1.1.品質面
    2. 1.2.価格面
    3. 1.3.納期面
  2. 2.「機械翻訳+ポストエディット」はいつでも優位?
  3. 3.川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳は使えない!?

本題に入る前に少し振り返りますが、「機械翻訳VS人手翻訳①」では翻訳者の仕事はなくならないだろうという結論を述べた上で3つの視点から人手翻訳の優位性に関して触れました。

機械翻訳VS人手翻訳②」では利用シーン別に機械翻訳向きの文書、人手翻訳向きの文書を見ていきました。


機械翻訳にも人手翻訳にもそれぞれメリット・デメリットはあるのですが、「機械翻訳VS人手翻訳①」で人手翻訳の優位性を中心にご紹介した為に、一部の読者から「機械翻訳の優位性はどうなんですか?」、「結局、機械は使えないのですか!?」といったコメントをいただきました。


…さて、コメントをいただいたように機械翻訳は日の目を見ないのか……「否!そんなことは決してありませんよ!!」ということで今回はQCD(Quality:品質、Cost:費用、Delivery:納期)の観点から機械翻訳の優位性についてご説明します。



品質面

先ずは「品質面」の部分から触れていきますが、ここでの人手翻訳における翻訳者というのは翻訳一本で食べていけるほどの実力を持ち、常日頃から自己研鑽している方とお考えいただければと思います。

それを前提とした上で述べると、機械翻訳の品質は人手翻訳に劣ることが大半と言っても過言ではないかと思います!


…あれ…?それじゃあ人手の方がいいじゃん!」と思った方もいると思いますが、その通りです。「品質」だけを見れば、人手翻訳の方が良いという答えになります。しかし、ここに「コスト」という概念を加えるとその答えは変わってくるでしょう。

基本的に品質とコストというのはトレードオフの関係にあり、品質の高い翻訳というのは概してコストも高くつくものです。例えば、それが社長メッセージやプレスリリースといった社外向けに作成する文書であれば、企業イメージに直結するため洗練された文書に仕上げる必要があり、高いコストも容認されるかもしれません。


しかしながら、内容把握が目的で、あくまでも参考程度に使用したい文書に対して、綿密に用語を統一したり、訳調を整えたりとハイレベルな訳文が必要でしょうか?もちろん読みやすさの観点から言ったら品質が良いに越したことはありませんが、それでコストが2倍3倍かかるとなったら、どうでしょうか。予算によっては、答えはノーになると思います。


その為、「品質」と「価格」を重視する場合は、機械翻訳の方が優位といえる場面が多いでしょう。



同様に「品質」と「納期」で考えてみると、質の高い翻訳と納期はトレードオフの関係にあると言えます。例えば、緊急性の高いプロジェクトを抱えていて、最短期間で内容把握をしたいのに、翻訳に時間がかかってしまったが為に内容の読み込みに時間を割けないといった事態は避けたいですよね。

上記を勘案すると、「品質」と「納期」の観点からも機械翻訳の方が優位といえる場面は多いと言って良いでしょう。


価格面

「品質面」では「価格」もしくは「納期」、またはその両方を組み合わせることでその優位性を見いだせると述べましたが、「価格面」に関しては単体で見た場合でも機械翻訳の方が優位と言えます。


例えば、機械翻訳にかけたものをそのまま使うといった場合には、当然費用は安くなりますし、誤訳をなくすために「機械翻訳+ポストエディット(人手により機械翻訳のエラーを修正する作業)」で対応した場合でも人手翻訳と比較すると相対的に安くなる傾向があります。


よって、ポストエディットは費用逓減効果の幅はあるものの、人手翻訳よりも相対的に安いと言えるので、「価格面」のみで見たときにも機械翻訳に軍配が上がります。


納期面

次に「納期面」からみていきますが、「納期面」も「価格面」同様に単体で見た場合でも機械翻訳の方が優位と言っていいと思います。


「価格」同様に、機械翻訳のアウトプットをそのまま使うのであれば翻訳文は即座に出来ますし、ポストエディットを加えた場合でも相対的に納期は早くなると言えるでしょう。この点は少し補足をすると、日本語から英語への翻訳を例に考えた場合、機械翻訳を活用することで一からの英文作成がなくなり、その分チェックにかかる時間は通常よりも長くなります。ただ、チェック時間を加味しても相対的に納期は短くなる傾向があるということです。

これは弊社の実績ですが、数千ページのマニュアルを対応した際に人手翻訳の5分の1に納期を短縮することができました。程度の差はあるものの、納期の短縮効果が見込める為、機械翻訳に優位性があると言って良いと思います。


「機械翻訳+ポストエディット」はいつでも優位?

さて、QCDを多面的に考慮した場合には、機械翻訳にも優位性がありそうだということは上記から感じていただけたかと思います。


ここで語弊がないようにお伝えすると、機械翻訳のみで使用する場合はいいのですが、「機械翻訳+ポストエディット」を自社対応でなく、翻訳会社に依頼して対応してもらうといった場合には注意が必要です。

翻訳会社に依頼する場合には、金額に対してミニマム制限がある、また納期に関しても作業者確保に時間を要する等の制約がつきもので、ある程度まとまった分量がないと「価格」や「納期」の点でメリットが生じないケースが見られます。その為、「機械翻訳+ポストエディット」に関しては、少量のものよりも大型になればなるほど、そのメリットは大きくなるということを予めご理解いただければと思います。



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 …はい、ということで今回は機械翻訳の優位性をQCDから述べてきましたが、機械翻訳の優位性をうまく活かし、日常の翻訳の効率化・省力化に繋げていただければと思います。


今までは機械翻訳vs人手翻訳といった観点で見てきましたが、次回はスピンオフとして「機械翻訳VS人手翻訳⇒機械翻訳+人手翻訳」と題し、機械翻訳と人手翻訳をうまく活用させていきましょうという話をしたいと思います。


それでは、また次回お会いしましょう。



川村インターナショナルの翻訳サービス

機械翻訳を最大限に活かして翻訳を行う「ポストエディット(PE)」による翻訳サービスの需要が高まっています。ポストエディット (Post Editing) とは、スピードとコスト重視の機械翻訳だけでは品質が不十分なケースで、人手による後編集を適用して、お客様が求める翻訳に仕上げるサービスです。すべてのコンテンツ、文書に対してポストエディットが適しているわけではありませんが、ローカリゼーションを中心にマーケティング翻訳、マスメディア翻訳などはポストエディットに向いている文書と言えます。また機械翻訳エンジンの進化、変化に伴い、ポストエディターに求められる能力も徐々に変わってきています。今後も機械翻訳とポストエディットの動向に目が離せません。

川村インターナショナルでは、今までに経験したポストエディット案件量と作業者の数が違います。英語と日本語のペアに限定せず、英語から欧州言語など、ネイティブの言語を話すポストエディターを確保できるのも弊社の強みです。お客様が抱えるあらゆる問題について、多様なご提案をさせていただきます。お気軽にお問い合わせください

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川村インターナショナルWebマーケティングチームです。開催予定セミナーやイベントの告知、ブログ運営などを担当しています。

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