ユーラシア大陸の北側に位置する大きな国、ロシア
ユーラシア大陸の北側に位置する大きな国、ロシア。
国内で時差が10時間発生するほど横に長く広く、緯度が高いため冬の長い国です。
中国や韓国と同様、ある意味隣国と言える国ですが、皆さんはロシアについてどれくらいご存知でしょうか?
くるみ割り人形などのバレエ作品や、クラシック音楽、アレクサンドル・プーシキンの詩やトルストイ、ドストエフスキーの小説などの文学作品は日本でも有名です。ピロシキやボルシチなどのロシア料理については馴染み深く感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は近くて遠い国、ロシアで使われているロシア語についてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.ロシア語はどこで使われている?
- 2.キリル文字
- 3.文法!!
- 4.家族で姓名が異なる?
- 5.おわりに
- 6.川村インターナショナルのサービス
ロシア語はどこで使われている?
ロシア語はロシア、ウクライナ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ベラルーシで公用語として使われています。公用語として話す人は1億8千万人もおり、国連の公用語6言語のうちの一つで、ヨーロッパで最も話者が多い言語です。母国語だけでなく話者を含めると、全世界で約3億人に話されています。(出典:Wikipedia)
ちょっと横道にそれますが、上記の国名の語尾に「〜スタン」と付いているのが気になって調べてみました。
stan は国や地方を示す地名接尾詞で、ペルシア語由来の言葉だそうです。例えばアフガニスタンはアフガーン人(パシュトゥーン人)の土地、という意味になります。
キリル文字
普段目にすることが多いアルファベットと似ているけど、違う形の文字もあって読み方も違う…と馴染みが薄いキリル文字。キリル文字は33文字で構成されています。
9世紀、スラブ圏(東ヨーロッパ)へのキリスト教布教のため、その当時文字がなかったスラブ語に対応する文字としてグラゴル文字が作られました。その後ギリシア文字を参考に改良されたのが現在のキリル文字です。同じくギリシア文字をもとに作られたラテン文字は、後の英語のアルファベットになるので、ラテン文字とキリル文字は兄弟のようなものといえます。文字と音が原則一対一で対応しているので、発音を想像しやすいのもひとつの特徴です。
文法!!
ロシア語学習者の前にそびえる壁が文法です。
英語とも日本語ともルールが異なるため、慣れるのに時間がかかるのではないでしょうか。
ロシア語には、名詞などの単語の語尾が文中での機能に応じて形を変える、という特徴があります。
まず名詞それぞれに性があります(男性名詞、女性名詞、中性名詞)。姓によって語尾が変化するため、語尾で性別を判断することができます。
数についても同じです。その名詞が単数か複数かをやはり語尾で判断します。
加えて、名詞、形容詞などには6つの格があり、単語の性と数でどの型になるのかが決まります。
格とは名詞、形容詞などの文中の役割を示すもので、主語に当たる主格、間接目的語に当たる予格(日本語でいう~に)などがあります。ロシア語学習者は、これら全てのルールにのっとった単語の変化を覚えなくてはなりません。このような特徴を持つ言語は、他に古代ギリシア語、ラテン語などが挙げられます。フランス語やドイツ語などといった他のヨーロッパ言語と違い、ロシア語には古い言葉の特徴が多く残されています。
ロシア語は名詞や形容詞を使用することで単語間の関係がきっちり示されるので、英語や中国語などと違い、文中での単語の順序は厳密には決まっておらず、文脈で決まります。他の単語から主語を推測できるため、日本語のように主語を省略することもできますし、逆に主語をなくさなければならない場合も存在します。
家族で姓名が異なる?
文法を眺めていると少しうんざりしてきたので、分かりやすいトピックである、日本とは異なる名前のルールについてご説明します。
ロシア人の名前は名、父称、姓で構成されています。
例) Евге́ний Ви́кторович Плю́щенко (エフゲニー・ヴィクトロヴィチ・プルシェンコ) |
名前はその人個人を示す名前です。決まったパターンの中から選ぶことが多く、それぞれに愛称があります。
上の例でいくと、プルシェンコさんの愛称はジェーニャ (Женя) です。
父称は、その人の父親の名前です。名前の後ろに、男性なら(オ)ヴィチ、女性なら(オ)ヴナがつきます。丁寧な呼び方では名と父称を合わせて使うので、父称が分からないと呼びかけられない…ということも起こり得ます。
父称から判断するに、プルシェンコさんのお父様の名前はヴィクトルと思われます。
姓は、その人が男性か女性かで語尾が変化します。家族でも、たとえば兄妹では姓が異なります。
プルシェンコさんの名前はウクライナ語由来なので、語尾が変化しません。
もしあの文学者、ドストエフスキーに娘がいたら、娘さんの姓はドストエフスカヤになります。
おわりに
知らず知らずのうちに身の回りで使っているロシア語由来の言葉をご紹介して終わりにしようと思います。
イクラ икра 「魚の卵」
キオスク киоск 「店」
ノルマ норма 「規範、基準」
テトリス Тетрис 「テトリス」
(テトロミノ(多角形)とテニスを組み合わせた造語、コンピュータゲームの名前)
いかがだったでしょうか?
意外と身近に感じられたのではないでしょうか。
До свидания! (それではまた!)
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