翻訳会社が選ぶ自動校正ツール3選
翻訳会社が選ぶ自動校正ツール3選
一般的な英日翻訳の作業フローでは、翻訳者が翻訳を行った後、翻訳チェッカーが翻訳チェックを行い、品質管理担当者が最終品質チェックを行います。通常、翻訳者/翻訳チェッカーは厳しいトライアルをパスしているはずですが、翻訳チェック後の翻訳エラーをゼロにすることは難しいのが現状です。
そこで、翻訳チェック後に自動校正ツールを使用して機械的なチェックをかけることで、短時間でエラーを最小限にまで抑えることができます。今回は、翻訳会社で行っている、いくつかのツールを組み合わせて翻訳エラーをなくしていく取り組みをご紹介します。
翻訳エラーには以下のようなものがあります。
これらの翻訳エラーを検出するために活用できるツールをご紹介します。
TradosなどのCAT(翻訳支援)ツールには検証機能が備わっています。この機能を活用することで、1. 訳抜け(セグメント単位)、3. 指示違反、7. タグの不整合などのエラーを検出できます。設定が必要になりますが、単語リストや正規表現の機能を利用すれば、プロジェクトに特化したスタイルエラー、用語エラー、特別なルールなども詳細に検出することができます。
XbenchのQA機能を使用することで、1. 訳抜け(セグメント単位)、3. 指示違反、7.タグの不整合のエラーを検出できます。さらに、XbenchのChecklist Managerを使用すれば、TradosのQA Checkerと同じようにプロジェクトに特化したスタイルエラー、用語エラー、特別なルールなども詳細に検出することができます。
上記2つのツールを使って1. 訳抜け(セグメント単位)、3. 指示違反、7.タグの不整合をチェックできました。
さらに別のツールを使うことで、これらのツールでは検出できなかった翻訳エラーを検出できます。
このツールでは、誤字脱字、用語ミス、スペルエラー、表現(冗長表現、誤解を招く表現など)、表記ゆれ、括弧の不統一を確認できます。ご紹介した翻訳ツールの検証機能やXbenchでは検出できない4. 誤字脱字、6. 訳文の文法エラー、表現エラー(一部)を検出できます。
このように、いくつかのツールを組み合わせて使用することで、翻訳エラーを効率的に検出し注1、翻訳品質を高めることができます。
注1: すべて検出できるということではありません。
上記のツールを使用して大半のエラーを機械的に検出することができました。しかし、1. 訳抜け(単語単位)、2. 誤訳、6. 訳文の文法、表記エラー、不適切な表現、8.ツールの誤使用、TM流用ミスなどは、ツールで検出することが難しく、作業者(翻訳者/翻訳チェッカー)のスキルに大きく依存します。
このような、ツールでは検出できない属人的なエラーについては、翻訳者の翻訳内容を評価/フィードバック/分析することで、翻訳品質の改善を促し、品質を向上させることが可能です。
今回は、いくつかのツールのほか、翻訳者のスキルを向上させる方法をご紹介いたしました。ほかにもさまざまなツール/手法がありますので、機会がありましたらご紹介したいと思います。